Full Suspension Cafe Racerを作ろう






◇フラットハンドル周りの取り外し
取り外しに際し、特に気をつける点はないが、『もしも』ドロップハンドルへの変更に不具合が出た場合、全く乗れなくなるのは困るので、フラットバー関連パーツが一式ボルトオンできるようにしておく。つまりパーツごとに分解、ストックとするのではなく、フラットバー、ブレーキレバー、シフトレバー、ハンドルグリップ、バーエンドバー、ステムは一体物として取り外し、ケーブル関係も、リユース可能な状態で取り外す。


◇ヘッドパーツのメンテナンス
普段では、ここまで手がなかなかまわらないのだけど、この機にヘッド周りの小物のメンテナンスを行う。ヘッドキャップおよびステムを取り外すと、簡単にフロントフォークは抜き去ることができる。GT i−DRIVE 6.0にもともと付いているベアリングはカセットタイプのベアリグなので特に気を遣う必要はない。それぞれのパーツの汚れを取り除いておく。ここまで取り外すと、「分解したなぁ」、って気になる。


◇シールドベアリングのメンテナンス
ベアリングにガタが出ていないので、グリスを塗り込んでおく。手のひらにタップリとグリスをとり、もう片方の手のひらを使ってモミ込んでいく。ちょっと手が汚れるが、この方法が一番圧入しやすい。


◇ドロップハンドルの仮付け
メンテナンス後、フロントフォークをフレームに取り付け、新たに購入したTNIのステム(突き出し量60mmサイズ)と、日東のドロップハンドルMod153−STI(幅400mmサイズ)を仮付けする。この段階では、ポジション出しは考えないでおく。なんせF/RディレイラーやディスクブレーキがSTIレバー(デュアルコントロールレバー)105と、うまく連動して作動するかどうかの確認が先決なので。


◇SHIMANO STIレバー105の装着
105用STIレバー(ST-5510-L)をドロップハンドルに固定。ドロップハンドルバーの下側(エンド部分からドロップし終わった部分まで)の延長線上にSTIレバーの先端がくるという、標準的な位置に仮止めする。


◇ディレイラーとの接合
ブレーキ関係より優先して、前後ディレイラーへのワイヤーケーブルの接続を行う。リヤディレイラーは既に105用のもの(RD-5501GS-L)を使っているので、特に憂慮はしていない。問題はフロントディレイラー。Deore FD-M510トップスウィングタイプとの互換性があるかどうかを確認していく。まず、ワイヤーをディレイラーに仮付けしていく。フレーム上のワイヤールートに変更はない。ただし、フラットハンドルに付いていた左右シフター本体(Deore)には、それぞれシフトワイヤーの張り(デイレイラーの動き)を微調整できるマイクロアジャスターが付いていたが、ロード用STIレバー本体にはこれがないので、ケーブルの間にジャグワイヤーのアルミ製アジャスター(2ケセット1,200円)を挿入する。左右ともSTIレバー本体に近いところ、手元で調整しやすい位置に取付ける。


◇ディレイラーの調整
リヤディレイラーはあたりまえのごとく、難なく動く状態に。
ところが案の定、フロントディレイラーはワイヤーの引きしろ(シフトチェンジする際、レバー操作によりワイヤーを引く、あるいは送る量)がデイレイラー本体と異なっていた。
ここから、フロントディレイラーとの熱き戦い?が始まることに…(後述)。


◇ディスクブレーキとの接合
前もって用意していた、AvidのディスクブレーキキャリパーBall Bearing Disk Road(本体前後、キャリパー台座、160mmのディスクローター、工具?付きで定価3万円なり)を装着し、STIレバーと結線した。やはり、ロード専用のメカニカルディスクキャリパーというだけあって、ブレーキレバー比(ブレーキをかける際、レバー操作によりワイヤーを引く量)がどんぴしゃで、問題なく接合できた。ドロップハンドル接合部のワイヤーの取り回しは標準的な方法で、アウターガイド(ムカデみたいなブレーキアウターケーブルガイド)は装着せずに、ダイレクトにその上からバーテープを巻いていくことに。日東のドロップハンドルMod153−STIには、リーチ部にブレーキケーブル用の『溝』が付いているので、ガイドは不要。ここまでで、フロントディレイラーの接合を残し、ほぼメカ的(制動系/駆動系)には問題ないことが明確になった。


◇バーテープ
バーテープはTNIのスタンダードタイプ(ブルー/ブラックのツートン)。まず、前もってSTIレバーの固定用台座(ブラケット)部分にはバーテープを切り取ったものを貼りつけて(巻き付けて)おく。今回は、ドロップエンド側から巻き上げる方法をとった。おわかりだと思うが、巻き上げ方向に注意が必要。走行中の『にぎりや、しぼり』によりテープが緩まないように、ハンドル内側から下方向にたらし、外側に向って巻いていく。案外簡単な楽しい作業である。最後にエンドキャップを押し込んで終了。


◇まし締めおよびワイヤーの遊び調整
仮付けした全てのパーツをチェックがてら、まし締めしていく。これでドロップハンドル装着に係る全ての作業が終了した。記念すべきFull Suspension Cafe Racer (FSCR)の1号機の試作品完成だ。


◇試走およびポジション出し
組上げ時には、ポジション出しは後回しにしていたが、これが窮屈であれば意味が無い。理論上は、ステムの長さ、スペーサーによるステム取り付け位置の調整、サドル位置の調整により、雑誌等によく出ている基本的なポジションに近い設定はできる。あとは、個人差があって当然なので、走り込みを重ねて、自分に合ったポジションにしていけば良いと思っている。


◇バックミラー(おまけ)
ZefalのSPYっていう小さなミラーを取付けてみた。フラットハンドル仕様の時もZefalのミラーを愛用してたんだけど、このたびの『SPY』は読んで字のごとくだけど、かなり小さい。走ってて危ないようであれば、前使ってた大きなものに変更しよう。


◇フロントチェーンホイール(インナーギヤ)の変更(失敗談)
現在、フロントチェーンホイールはDeoreのラージタイプ48−36−26Tをベースに、インナーギヤは同じくDeoreの22Tに換えてあるが、これをXTRの24Tに変更し、48−36−24Tのセットにしてみることに。これについては、『Full Suspension Tourerで行こう!』のページ、ツーリング(その2)でふれているが、『淡路島一周仕様』にする為。自分の脚力がどの程度のものか分からないけれど、比較的平坦なところはフロントミドルギヤ(36T)で、リヤカセットスプロケット(CS−HG70−9)12T〜25Tを1速から9速までフルに使い、峠でフロントインナーギヤを使う際、24Tが丁度しっくりいく(であろう)と思ったため。
Deoreのラージクランクセット(FC−M510S-OCTA)はもともと48−36−26Tのセットであるがインナー26Tでは厳しい峠がある。なんせリヤスプロケットのローギヤ(一番でっかいギヤ)は、MTBでは34Tぐらいあるけれど、我がFSTやFSCRでは23Tや25Tまで小さくして、各ギヤをクロスさせている(各ギヤの段数の差を縮める)ので、フロントが26Tでは余裕がない(快適でない)場合がある。…と言いながら、今回、品物を確かめずに購入したXTRの24Tは、アルミ製のつや消しブラックで高級感もあり、大変気に入ったのだけど、実際クランクに付けてみると、その厚みでボトムブラケット(i-DRIVEシステム)に接触してしまった。裏表両方試したが、いずれもダメだった。購入に際してはPCDはチェックしてたんだけど、厚みまでは…、断念。



◇フロントデイレイラーとの戦い
2004年2月22日でようやくストレスなく変速が可能となった。結果から言うと、ディレイラー本体に多少の加工が必要であった。
御法度ながら新品の105用STIレバー(ST-5510-L)左側もバラしてみた。後から取り扱い説明書を読めば、「修復できなくなりますので、これ以上は分解しないでください」と書かれていたのだが、後の祭り、全バラしに近い状態まで分解してしまった。確かに組み上げるのに夜を徹してしまった。おかげさまで勉強になった。コツがあって、これができないと、修復に時間がかかります。くれぐれもみなさんは、レバーのシフター部だけは分解しないように。
あっ、そうそう、分解が目的ではなく、シフトケーブルの巻き取りギヤに加工ができないかどうか確認しようとしたのだ。あいにく加工がどうのこうのというレベルではなかった。STIレバーの部品構成、組み上げ方はミクロの世界に通じるものがあった。シマノさんはやっぱりすごい!ここまで軽量コンパクトにできるものなのかという感動すら覚えた。決して触ってはいけないと思った。
ならば、ということで、フロントディレイラーDeore FD-M510本体に着目した。とったり付けたり、ワイヤーの取り回しや引きしろなどの確認を幾度と無く繰り返し、加工に成功した。繰り返しになるがシマノさんはやっぱりすごい!Deore FDは廉価製品ではあるが、その作りはかなり精巧である。何度も手にとって動かしてみてあらためて思った。


◇フロントディレイラーの接続
SHIMANOのSTIレバー(デュアルコントロールレバー)のシフトワイヤー巻き取りギヤは、MTBのそれに比べて小さい。シフターをブレーキの『レバー自体』に納める必要性から、構造的にも重量的にもギヤのラチェット部(歯)を内側に向けざるをえなかったのであろう。
これにより、フロント側シフターのワンアクションで巻き取れるワイヤーの量が短くなっている。ただ、技術的にこうなったかというとそうではない。不可能ではないはず。なぜなら、リヤ側シフターはMTB向けリヤデイレイラーと完全に互換しているからだ。
もう少し調べてみたいと思うが、おそらく、ロードバイクとMTBではフロントチェーンホイールの開発に対する考え方が抜本的に異なり、今後とも同じにできない(するつもりもない)のだと思う。開発の歴史がどうのこうのという訳ではなく、そもそものロードバイクとMTBの使途、目的の違いに起因するものだと思う。
ロードバイクのフロントチェーンホイールおよびフロントディレイラーに求められる要件は、『精度』、『操作性』、『レスポンス』、『軽さ』、『剛性』かと思う。これに対しMTBのそれは、『精度』、『操作性』、『レスポンス』は言うまでもないが、『強度』と『ドロはけの良さ』が不可欠なのだ。剛性と強度は意味が違う。
これらの要件に対しロードバイクは、ホイール(ギヤ)一枚一枚の間隔が極限まで狭くなっているはず。その間隔については、多分長年のノウハウというのがあって、狭ければいいというものでもなく、レスポンスやチェ−ンの脱落などを考慮した『しっくりいく』データを数しれず持っているに違いない。これに対しMTBは、過酷なオフロード走行を前提に、ギヤ間の泥詰まりや、ロードクリアランスを確保する為のラージギヤの最低限必要な大きさ、ハンガーの位置、障害物へのヒットを考慮した強度確保などが求められるのであろう。
また、ロード用フロントディレイラーにはトップスウィングタイプのラインアップが見受けられないのだが、多分チェーンホイール(フロントギヤ)も52Tぐらい大きくなると、デイレイラーのパンタグラフのストロークに限界があるためであろう。
なので、ディレイラー云々と言う以前に、FSTのコンセプトからして、MTB、ロードタイプどちらのチェーンホイール(クランク)が適当かということから本来考えないといけない。たまたまMTBがベース車両になっていて、付いているギヤが44−32−22Tであるからこれに合わせていく加工を行ったが、ひょっとしてロードタイプのチェーンホイールに合わせていった方が良いのかもしれない。
結果として、フラットバーからドロップバーハンドルに変更、それに伴いロード用のシフターに変更した場合、フロントディレイラーの加工が必要となる。再びフラットバーに戻す場合は加工済みのディレイラーは使えない。だんだんフラットハンドルFSTと、ドロップハンドルFSCRは全く別物になっていきそうなので、少しコンセプトを振り返ってみる。
『肩ひじはらない快適なツーリングの為に!』が大原則。脚力のある人はともかく自分としては、平坦な道であれば時速28km〜30kmでの巡航がとっても心地よい。フロントホイールはミドルギヤの36T。リヤスプロケットはトップおよび2段目の12T、13Tあたりでケイデンス的には90rpmぐらい。フロントミドルを中心にリヤは9速全て(12T〜25T)を有効に使い、ラージギヤ(48T)、インナーギヤ(26T)は長い下り坂や急な上り坂のための緊急用として考える。こういった使い方でいけば、チェーンライン的にもギヤ、チェーンに負荷をかけることがなく、踏み込んでいった時のあの特有の音鳴りもしない。
つまり、フロントホイールおよびクランク(およびBB)、ならびにフロントディレイラーをロード用にしたところで無意味ということになる。
なので、MTB用のフロントディレイラーをベースに、ロード用デュアルコントロールレバーとの互換精度をさらにあげるべく、加工したり、他の機種やグレードのものも試してみて、何が一番良い方法かを見つけていくことにする。


◇試乗2004年2月28日
Full Suspension Cafe Racerのファーストインプレッションは『GOOD!』。いつもの淡路島60kmコースを使ってFSCRの試乗をした。午前7時、無風快晴、気温は多少肌寒いぐらいかというツーリング日和。今回の目的は2つ。ひとつめはおおまかなライディングポジション出しと、2つめは独自加工したフロントディレイラーの作動確認。特に2つめを見極めたかった。結果から言うと、フロントディレイラー本体加工の精度不足で、しっくりいかなかった。
稼動はするものの、フロントディレイラー用STIレバー(左側)のシフトワイヤーの巻き取り量が少ないという決定的な事実に対して、ディレイラーの作動範囲が狭く、チェーンホイール3枚をストレスなく変速できる状態にはなっていなかった。具体的に言うと、平坦地を巡航させる際、フロントミドルギヤ×リアトップ、またはラージギヤ×トップでチェーンとガイドプレートの接触による音鳴りがしないようにシフトワイヤーを調整していく(張っていく)と、上り坂でフロントミドルギヤからインナーギヤに変速できない(=シフトワイヤーが伸びきったところで、ディレイラーが車体側に戻りきらない)状態となっていた。逆に、フロントミドルからインナーへのスムーズな変速を優先してシフトワイヤーを緩めていくと、巡航時のミドルギヤ×トップ、ラージギヤ×トップまたはセカンドでかなりの接触音がしてしまうという接続状態であった。
屋内で、まず問題ないだろうと思えるところまで調整してきたことも、実際に走らせてみるとこんなものかと思った。今回のコースには激坂がなかったが、こんな状態ではとても役にたたないとの結論だ。おまけに微妙に変速するかしないかの状態で、チェーンがかなり『暴れた』のであろう、チェーンステーにかなりのキズが入ってしまった(グシュン)。
さっそく持ち帰り、フロントディレイラーを取り外すことに…。走りながらサドルの上で考えていた。Deore FD−M510をベースに加工するのであれば、あとはこれだけのことをしないといけない。逆にそこまでのことをしてダメだったら他の方法を考えるしかないと。さらに加工を施し、次なる試走のタイミングを見計らっている。(気はせくが、残念ながら昼から子供と遊ばねば…)
ポジションの方は、多少ハンドルが高いと思えたが、まずまずこんなものだろうと。ライディングポジションはある意味一番大事なことだが、『十分許容範囲にある』と確認できた。1〜2年間ロード中心にXCに近いポジションで乗り慣れていたので、多少前傾がきつくなったことにより、サドルに接するお尻の部分が変わった。正直を言うと、これには多少の違和感と、尿道を圧迫するという多少の苦痛があった。
シート自体は相変わらずSelle ITALIAのGenuine Flite Gelであるが、ようやくあることに気付いた。このシートは座面中央にゲル状のパッドを内蔵している軽量(265g)タイプなのだが、この中央にある『フカフカ』のパッドの本来の意味がわからずにいたのだ。XCポジション(前傾が浅い)では、どちらかと言えばシートの上にそのまま座っているという感があり、尿道がどうのこうのと言う問題ではなかった。ところが、ドロップバーそれも下側を握っていくと、かなりの前傾とともに尿道(すいません繰り返して使う言葉じゃないんだけど…)がシート座面中央付近に押し付けられていく状態になる。その微妙な位置にこのゲル状パッドがあるので、「これは、ありがたい!」と素直に思えた。このシート、Selle ITALIA Genuine Flite Gel(本皮、チタニウムベース、カラーも豊富)、ほんとおすすめの一品です。
そんなことで、平均速度がどうかわったとか、乗り心地がよくなったとか、風の抵抗はどうとか確認するどころではなかったのだが、この『Full Suspension Cafe Racer』というコンセプトは間違いなく『いける!』とあらためて確信したのだった。

追伸: ZefalのSPYっていう小さなバックミラーは、思いのほか効果的だった。ドロップバー右側エンド近くにゴムバンド留めしているが、ドロップ部を握ったときに右腕に隠れてしまうため、今の位置では全く見えなくなる。取り付け位置に少し工夫が必要か。


◇試乗2004年3月7日
いつものごとく6時50分の明石港発シーワープで淡路島へ向う。西からの風がそこそこ吹いていた為、海上はかなりウネッていた。家を出た瞬間、ヤバイって思った。めちゃくちゃ寒いのだ。一旦、支度を整えてから出直すなどすればよかったのだが、薄着で外出してしまった。
今回は、懸案事項であったフロントディレイラーのストレスない動きでフロントチェーンホイールのギヤチェンジがスムーズに行えるかどうかの確認がひとつ。また、ライディングポジション出しが二つめの目的。
前者について結果からいうと、『No Problem!』、各ギヤの組み合わせにおいて気になっていた『音鳴り』もしなければ、インナーリング側に変速ができなくなるようなことはなかった。とってもうれしいはずなんだけど、寒すぎて笑えない(笑)。
ポジション出しについては、先日、ハンドルステムを一番低い位置(アヘッドに直に接する状態)まで下げようと思い、コラムカットをしておいた。前回の試乗の際は、アヘッドから20mm上げていたのだが、シート上面より前下がりのドロップバーの位置がしっくりいくと思われた為。コラムカット後はスペーサーによる調整が4〜5mm程度になってしまうのでちょっと冒険っぽいところもあったが、思い切って切断してしまった。なんせ、『見た目』がスッキリするので…これは大事なことです。
一応、この度のセッティングを基本に、つめていくことにした。
それにしても、今回のツーリングは寒かった。一応、ローソンで1回休憩をとり、いつものごとくチョコレートとか補給したんだけど、この度ほど店内で飲食させて欲しいと思ったことはない。休憩もそこそこに走り出す。なんせ風を切ってでも体を動かしてる方がましだったから。じっとしていられなかったのだ。
岩屋港に着いたのは9時20分、7時10分の出走であったので、今回は一周2時間10分、休憩を含めた平均時速は27km/h。気候気象条件にもよるが、寄り道せずにこのコースを走った場合、2時間丁度ぐらいなので、まずまずのスピードかと。
岩屋港発9時40分の船は『マリンライナー』というシーワープに比べて一回り小さい高速艇。客室にバイクは持ち込めないため、後部デッキの支柱にロープで固定する。幸い、帰りの海上はそんなにシケていなかったので、海水のシャワーをかぶらずにすんだ。
帰ってもなかなか体温が上がらず、案の定『風邪』をひいてしまった。やはり、それなりの防寒対策は必要。というか自殺行為。

追伸: ZefalのSPYっていう小さなバックミラーネタ。今回は、トップチューブの一番ヘッドチューブよりの部分、進行方向右側にフレームマウントする方法をとった。サドル下、右太股の上下動の合間をぬって後方確認するやり方。これはいただけない(笑)


◇ハンドルステム
3月20日に、ステム交換を行った。以前装着していたのは、TNIの60o、アルミCNCステム ノーマル/オーバーサイズ兼用のもの。昨年12月に購入したばかりなのだけれど、どうもハンドルが近くかつ高く感じてしまう。今回は、すこしベンドがきつくハンドル高も多少低くできる、80o長のステム(同じくTNI)に交換してみた。前回より20o突き出したことになるが、これを基準にさらにポジションをさぐっていくことにする。


◇ライポジ詳細
スケルトンを調べてみた。その前に言っておきたいのだが、前回フレームのみにバラした際に、あることに気がついた。正確にはフレームに、ヘッドワンがヘッドチューブ上下に付いていて、ボトムブラケットが組付けてあり、リヤディレイラー(105ロングゲージ)の3点が付いた状態で、ボトムブラケット(BBハンガー)を中心に、何とフレーム前後が『やじろべい』のごとく釣り合っていたのだ。
このことは、逆に言うと、完成車フロント側がいかに重いかということ。だって、これに2kgのフロントサスペンションが付いて、ステム、ハンドル、ブレーキ、シフトレバー、グリップなどが装着される訳でしょ。そもそもMTBは、ロードバイクに比べて、激坂を登るケースが多いことから、ポジション的には前荷重になっていると聞いている。このバランスを意識してライディングポジション出しができればと思う。

2004年4月 現在
ボトムブラケット中心からサドルトップ(上面)までの距離 675
サドルの先端からハンドルバーまでの距離 510
フロントアクスルからハンドルバーのエンドまでの距離 470
ボトムブラケット中心を通る垂線とサドル先端までの距離 30
フロントアクスルとボトムブラケット中心との距離 645
リアアクスルとボトムブラケット中心との距離 420
サドルトップ(上面)の地上高 985
ハンドルクランプ中心の地上高 925
ハンドルクランプ中心からサドルトップまでの距離 60
サドル中心(シートポスト延長線上)からサドル先端までの距離 160
サドル中心からハンドルクランプ中心までの距離 690
全長 1735

◇試乗2004年3月27日
いつもの淡路島60qを、ちょっとまじで走ってみた。28q地点での休憩1回をはさんで、コンスタントに走らせてみた。結果、所要時間は休憩を除き2時間と07秒、平均車速は30q/hと、まずまず。ポジション的にも特に問題はない。


◇試乗2004年3月29日
今回は、淡路島には間違いないが、少し足を伸ばしてみた。初めてのコースとなるが、しめて96qのコース。西周りで45q地点、五色町『鳥飼浦』の交差点を左折し内陸部へ。『緑町』までの峠を越えて洲本市へ。この峠はなかなかきつかった。フロントインナー26T、リヤ23T〜25Tでだらだらと坂を登っていった。洲本に抜けてからは東岸をひたすら北上しスタート地点へ。内陸部は道幅が狭く、それでも車が適当に走っている個所がいくつかあったが、なかなか気持ちのよいコースだった。

休憩を除いた所要時間は3時間50分、平均車速は25q/h。さすがに疲れたが、これがライディングポジションからくるものなのかどうかは、わからない。ただ言えるのは、ドロップハンドルの優れた点。いろんな持ち方ができる為、これにより腕や腰への負荷が和らげられたり、脚力の温存などにも効果的である。96qを中距離と言ってよいかどうかわからないが、この距離を走らせる上で、現在のライポジは特に違和感がなかった。
話は変わるが、洲本を抜けて海岸沿いを北上する途中に『鶏卵問屋の作った、たこ焼き屋』という触れ込みの店があり、ここで昼食をとった。なかなかおいしかった。たこ焼きひと船250円、焼きそば300円なり。60qのコースと違って、走行距離が100q近くになってくると、途中どうしてもお腹にたまる食事が取りたくなる。お腹がすいて力が入らず、ちゃんと漕げなくなるのだ。いわゆるハンガーノック現象というやつでしょうか。間に峠などあればなおさらである。空腹感を感じる手前で食事、栄養を取っておくのがよいと思う。



追伸1: Zefalのバックミラー『SPY』ネタ。今回は、オーソドックスにハンドルバー右側エンド部の外側に取り付けた。あれこれ試みたが、ミラーの大きさ(直径5p程度)からすると、これが一番よいみたい。

追伸2: バーテープはTNIのスタンダードタイプのブルー/ブラックのツートンから、春夏らしくホワイト/ブラックのツートンへ変更。

追伸3: PanaracerストラディアスTT(700×20c、170g)に履き替えて思ったこと。『すべる』。タイムトライアル(TT)用として極限まで軽量化し、また転がり抵抗をなくしたためグリップ力が多少犠牲になっているようだ。下った先の逆バンク気味のコーナーなど、特に砂が浮いてなくてもすべる。オフロードバイクに乗ってたから、すべること自体怖くはないが、なんせビンディングペダルなのでいざというときの対処のしようがない。『肩肘はらない快適なツーリング』が目的なので、Panaracerストラディアスプロ(700×20c、200g)に戻すことにした。




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