自転車用語集

         

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アイジー(IG)
90年代半ばに登場したシマノのチェーン及びスプロケット歯形規格。当時のSTX、STX-RC(現在廃盤)などに採用されたもので、シフトアップ時のスムーズさを狙ったもの。しかし実はMTB、ロードともスポーツバイクで本当に必要だったのは登りでのシフトダウンのスムーズさだった。そのため特に評価を得ることもなくフェードアウト。現在のHG規格とミックスしてしまうと非常に性能が低下するので注意。

アウター(アウター受け、アウターギア、アウターワイヤー)
スポーツバイク用語きっての多義語の一つ。変速、ブレーキを操作するワイヤーを保護するパイプ状のモノ(アウターワイヤー、もしくはアウターチューブ、アウターパイプ)を略した場合、フレーム溶接されたアウターワイヤーをホールドする留め具のことをアウター受けといい、ギヤ関係の場合はフロントのギヤの一番大口径のギヤを指す。ちなみにリヤスプロケットの一番大口径のギヤはアウターとはいわないので、さらにややこしい。

アクスル(アクスルシャフト)
基本的には回転する軸の、BB、ハブなどの回転中心の棒のこと。ハブの場合、クイックリリースの棒は回転そのものの力を持たないのでアクスルとはいわない。クイックを使わないものをボルトオンアクスル、さらに20oフロントハブのようにハブを貫通しているものをスルーアクスルと呼ぶ。幅はロードの場合、前100o、後ろ130o、MTBの場合は前100o、後ろ135oが基本。ただしDHバイクなどでは各社リヤハブが専用品のケースが多く、幅も太さもバラバラなのが困りもの。

アジャスター
パーツの微調整をする部品のこと。ディレイラーやシフター、ブレーキの場合はそれぞれのワイヤーの付け根にある溝の掘られた樽型の回転するパーツがそれ。ワイヤーが使っている内に伸びてきた分をここのネジで吸収することができる。サスペンションの場合は赤や青に着色されたダイヤル状のモノが多く、これで減衰力の強弱を調整する。

アダプター
パーツを付ける際に取り付け位置が合わない、ボルトの間隔が合わないなどの問題が出ると使われるモノ。ディスクブレーキキャリパーを取り付ける時には、多くのユーザーがお世話になるハズ。当然ながらパーツを一つ余計にカマすので精度、強度、信頼性は低下しがち。理想を言えばダイレクトにつけられるのが一番である。

アップスイーブ
ライザーバー(アップハンドル)の曲げ角度の一つ。ハンドルを真正面から見ると実は外側に向かって微妙に上向きに角度(上反角)がついているのがわかる。手首やヒジをちょうどいい角度にするためにかなり重要。メーカー、モデルによって角度にはかなり違いがあるが、これが全くないとしっくりしたポジションにならず、にっちもさっちも行かないハンドル周りとなってしまう。

アナトミック形状
Anatomic(解剖的)な形状、つまり人間の身体の構造に即した使いやすい形状で作られた部品のこと。特にハンドルバーやサドルなどにこのアナトミック形状を採用したパーツがよく見られる。常に身体と接触しているこれらのパーツにこそ、使い手にフレンドリーなパーツが要求されてくるという証明でもある。

アフターパーツ
パーツのグレードアップや補修のために発売されるパーツの総称。下調べせずにパーツを買って付け替えてしまうと実はグレードダウンだった、なんていう笑えないケースもあるので、調べは重要。完成車に付いているパーツを計算すると販売価格の方が高く設定されているが、これは完成車メーカーが大量仕入れしているためで仕方なし。

アヘッド(アヘッドステム)
本来MTB用として発明されたヘッドセットの仕組み。ヘッドのベアリングの押さえとステアリングコラムの固定の役割をステムそのものに集約させたもの。登場当時アーレンキー1本でベアリングの回転調整、ステムの高さ調整、整備ができる簡便さとパーツの少なさからくる軽さが画期的だった。MTBでは非アヘッドは絶滅し、ロードでもアヘッドが主流となっている。(写真はRADICAL COMPONENTS ステアリングステム 2014プロライトステム 105o/95°2014-T6アルミ)

アルテグラ
日本のサイクルコンポーネントメーカー・シマノのロードコンポーネントラインナップ中のセカンドグレードコンポの名前。本場ヨーロッパにはアルテグラを使う中堅プロチームもあるほどの高性能を誇る。「アルテ」と略称されることもある。「アイツにデュラはもったいねぇ、アルテで十分だ」とか、「アルテグラ使ってるクセにメチャメチャ強いな」というように、ユーザーの実力の程度を表す時にも使われる。

イチマルゴ(105)
シマノのロードコンポーネントラインナップ中3番目に位置するコンポの名称。上級機種の性能はそのままに、コストパフォーマンスをも極限まで高めた庶民や初心者の強い見方。レース参加や本格的な走りを楽しみたい人は最低でもこのコンポを選びたいところ。「105」と数字表記されることが多い、というかほとんど。精度は高く、自分は105のリヤディレイラーにアルテのガイドおよびテンションプーリーを付け替えて使ってます。知ってました?プーリーだけではないのだけれど105に使われているパーツには、ディオーレに使われているパーツと同じモノがあるってこと。

インターナショナルスタンダード
国際統一規格。多くの場合はディスクブレーキのキャリパー取り付け台座のことを指し、取り付けボルトの位置、間隔などが規定されている。その割にアダプターが必要な場合も多いのが謎。

インターフェイス
サドル、ハンドル、ハンドルグリップレバー類などヒトと機械を結び、操作する部分、またはその操作方法のこと。これをしっかり自分に合わせることができると、走りやすい自転車となる。また、BBやヘッドセットなどパーツの規格そのものを指す場合もある。

インテグラルヘッド
ヘッドパーツ(フロントフォークをフレームに取り付ける際にヘッドチューブに圧入する、ベアリングが入るお皿のようなもの)をヘッドチューブ内に収めたシステムの名前。ヘッド周りの剛性が上がり、ヘッドチューブにベアリングが入るワンがないのでデザイン的一体感が出る。ピナレロや日本のトーヨーがが先鞭をつけ、現在主流となったシステムだが、コルナゴのように断固拒否するところもある。

インナーチューブ
フロントサスペンションフォークのスライドする部分、直径が細い方を指す言葉。成立式の場合は上側、倒立式の場合は下側となる。英語ではスライダー、もしくはスタンクションチューブという。タイヤの中に入れるチューブを指すこともある。

インフレーター
Inflate(ふくらませる)するもの、つまり自転車の世界では空気入れのことを指す言葉として使われるが、特に携帯式空気入れのことをインフレーターと呼ぶ。蛇足になるが、100q走った山の中でパンクして、インフレーターを忘れたことに気が付いた時の絶望感はかなりのものだ。ぜひ一度体験して欲しい。またロードバイクのタイヤの場合8〜9気圧もの高圧を入れることが要求されるので、しっかりしたものを携帯しよう。(写真はTOPEAK アインシュタイン マスターブラスター)

エアロスポーク
通常のスポークの断面は丸形状になっているが、エアロスポークのそれは平たくなっているのが特徴。昔はきしめんスポークなどとも呼ばれていた。もちろんスポークが空気の流れを乱すことを抑えるのがその理由だ。実際エアロスポークで組まれたホイールが回転する時の風切り音は、いかにも空気抵抗が低く風を切っているような独特なもので、実際の効果もさることながら乗り手をヤル気にさせてくれるレーシングな雰囲気も人気の秘密かも。

エアロリム
かつては背の低い長方形断面だったリムが、1970年代のエアロブームに乗って三角形状となったのがエアロリムの始まりといえるだろう。現在エアロリムの主流となっているディープリムとは比べものにならないが、とにかく心意気だけは「エアロ」なパーツである。三角形状となったおかげでリム剛性が増し、しっかりしたホイールが組めるようになったことのほうが、むしろエアロリムのメリットといえる。

エイチジー(HG)
現在主流のシマノのチェーンとスプロケットの歯形形状の一つ。Hyper Gride(ハイパーグライド)の略で登りなど脚に力がかかっている状態でもスムーズにシフトダウンができるようになっている。よ〜く歯形を見ると場所によって歯の大きさやリアスプロケットの厚みに段が付いていて、それがHG規格のキモなのでスプロケットを指して歪んでいるとか削れているとか不良品とか言ってはいけない。

エスティーアイ(STI)
Shimano Total Integration(シマノ・トータル・インテグレーション)の略で、それまで別々に操作していたブレーキレバーとシフトレバーを一つにまとめ、より快適なバイクライドを可能にした画期的製品の名称。通称STIレバー。変速時にハンドルから手を離さなくてもよくなったことでライディング時の安全性も大きく高まった。ストレスフリーという、シマノの開発コンセプトの象徴的存在。ロード用だけに限らずMTB用にも同様の機能を備えている。(写真はシマノ105)

エスピーディー(SPD)
Shimano Pedaling Dynamics(シマノ・ペダリング・ダイナミクス)の略。スキーのビンディングのようにペダルと専用シューズがカチッとはまるシステム。ペダルを踏む時だけでなく、上に引き上げる時も脚力を使えて効率がいい。もはやスポーツバイクの必需品の感があるが初めての時は誰でもペダルが外せずコケる。私もコケた。街中でコケると非常にアブない(&恥ずかしい)ので駐車場などでコソ練すべし。

XC
MTBの走り方と自転車のジャンルの一つ。比較的距離は長めで山での登りと下りの両方の要素が含まれる。英語ではCross Countryなのだが、略号はナゼかエックスがついてXC。

XTR
シマノMTB用コンポーネンツの最上級モデル。2003年度にフルモデルチェンジしXCレース専用となってしまった。滑らかな回転、パワーを逃さない剛性の高さ、ドロや雨や毎日の酷使にも耐える耐久性を持ち、使い心地は頭一つ抜き出ている。最高の素材と最高の設計と最高の加工を駆使し、性能も最高だが値段もあまりにサイコーである。

FR
FRとはフリーライドのこと。フロントエンジンリヤドライブ…のことではない。自然の山(トレイル)には登りも下りもあり、XCバイクでは下りが面白くない、DHバイクでは登りは全くNGということで、登って下れるいわゆる何でもバイクのこと。メカ的にはフロント2〜3枚、前後サスペンションは4〜6インチ程度、ディスクブレーキ装備が標準的。価格も比較的安くメーカーにとっても力が入るジャンルで、なおかつメーカー間の考え方や技術力の差が出やすいジャンルでもある。MTBを初めて買うヒトにもオススメ。本編のFST(Full Suspension Tourer)のベース車両となっている。

MTB
マウンテンバイク(Mountain Bike)の略。

エンデューロ
走り方、遊び方、レースのジャンルとしては耐久レースのこと。3〜4時間連続走行といった一般的なものから、24時間連続、1週間毎日8時間といった罰ゲームのごとき様相のレースもある。メーカーによってはツーリングなども含めて長距離を乗る際の疲労を抑える設計のバイクにこの名前を付けることもある。

エンド(エンドキャップ、エンドプラグ)
ハンドルバーの両端のこと。アルミやカーボンなどで出来たハンドルバーの両端は切りっぱなしになっていて転倒時などに身体を傷つける恐れもある。そこでエンドキャップ、エンドプラグと呼ばれるフタをしておくほうがベター。

エンド幅
ハブの左右のロックナット間の寸法のこと。フロントのエンド幅はロード、MTBとも100oだが、リアはロードが130oなのに対して、MTBが135oと若干広くなっている。リアのエンド幅はスプロケットの枚数が増えるにつれて次第に広くなってきている。ちなみにリアにもギヤが1枚しかないピストバイクのリアエンド幅は120oとかなりスリム。

オーバーサイズチューブ
つい最近までフレーム素材の主流だったスチールの場合、使われるチューブの径は25.4oか28.6oが一般的で、前者をスタンダード、後者をオーバーサイズと区別していたが、最近ではオーバーサイズのチューブというと、やれ35oだの40oだのという、まさに極太サイズのものを指すようになってしまった。しかしこの極端なオーバーサイズ化によって、軽量高剛性なアルミフレームが実現、またたく間に一般化した。

オクタリンク
シマノのBBとクランクの勘合規格。オクタ(8)の意味の通り8本の角形の溝がBBシャフトに掘られているのが特徴。結合剛性が上がるので、ペダリングの時のダイレクトさが増すといわれている。ISISドライブとは互換性が全くない。シマノ以外の一部メーカーからもオクタリンク規格対応商品はリリースされている。

おちょこ
リアホイールを上から見た時、スプロケットがおちょこの形に似ているところからこう呼ばれる。「リアホイールは多段化されておちょこ量が増えてしまったのでホイールバランスが悪くなった」とか、「おちょこ組みになるのでリアホイールのフリー側は2o短いスポークを使う」といったセンテンスで見受ける単語。外人に意味を説明する時困る単語の最右翼でもある。

オフセット
Offsetはわき枝、支脈という意味だが、ここではある部品やその取り付け部が同一線上になく、ずれた部分にあることを意味する。代表例がフロントフォーク。横から見ると、ホイールがはまるエンドがコラムからの一直線上にないことがわかるだろう。フロントフォークのオフセット量はハンドリングのよしあしに大きく関係してくる部分で、この数値の設定に、各メーカーのノウハウやコンセプトが反映されている。

カーボン(カーボンファイバー、※HM、HR含む)
カーボンとは炭素のこと。化学繊維を無酸素中で蒸し焼きにして作った炭の繊維をエポキシ樹脂で熱と圧力を加えながら固めて作る。CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化樹脂)という。従来は軽さばかりがクローズアップされてきたが、最近は振動を吸収するという振動吸収特性から同素材を使うケースがほとんど。アメリカ製のカーボンもイタリア製のカーボンも、繊維は日本製だったりすることが多い。ちなみに「ハイモジュラス」とか「○○トンカーボン」という用語は工学的には正しくない。

カーボンバック
チェーンステー、シートステー、もしくはその両方のみをカーボン製にしたリジッドフレームのこと。アルミで、ガチガチに硬いフレームだと目玉が飛び出そうなほど振動をよく伝える場合があり、その対処としてロードに採用された。現在ではMTBのXCレースバイクで使用されている例もチラホラ。ライダーの疲労を吸収するのが主な目的だが、実は微振動の吸収によってタイヤの接地性も上がることはあまり知られていない。

ガイドプレート
フロントディレイラー、リアディレイラー、チェーンディバイスなどの板状の部品のこと。チェーンの脱落を防止する。

かかり
ペダリングした時のバイクの加速具合を表現する言葉。「このバイクはかかりがいい」というように使う。剛性のあるなしがはっきり表れるところで、硬いフレームほどかかりがよい傾向がある。柔らかいフレームはその点では分が悪いが、ペダリングスキルのある人はその限りではない。加速性能の同義語。

ガセット
補強板のこと。金属製のフレームでパイプとパイプを溶接しただけでは強度が足りない場合にさらに追加されるプレート類で、多くはヘッドとダウンチューブ下側、トップチューブ上側にある。強度確保という性能面もさることながら、目立つのでデザイン性を重視される場合も。ガゼットと『セ』の音を濁らせて発音したり表記するのは間違い。

カセットスプロケット(ギヤカセット)
リアハブに重ねてつけられた7〜10枚のギヤ状のプレートのこと。カセットと名前が付いているのは各ギヤが(一部)一体で取り外しができるため。ギヤカセット、コグセットともいう。シマノ規格とカンパニョーロ規格で互換性はないのでロードの場合は注意されたし。

完組ホイール
メーカー工場出荷時にそのまま使用できる状態にまで組み立てられたホイールのこと。と、わざわざこんな言葉があるように、本来スポーツ自転車用のホイールはハブ、スポーク、リムがバラバラでそれをショップまたは個人で組み立てるのが普通だったのだ。ホイール組みは腕の差が非常に出やすいので、品質を安定化させることができるというメリットがある。二本の腕でどうやって組むんだ?と思うような変形スポークパターンも見られる。

完成車
読んで字の如く、ちゃんと自転車のカタチになって乗れる状態で販売されている自転車のこと。フレーム単品売りの商品と区別するときによく使われる言葉。とはいってもメーカー出荷時にはフォークやハンドル、ディレイラーなどは取り付けられておらず(七分組みという)、ショップで組み立てる。パーツをそれぞれバラで買うより相当おトクなのが普通。中には計算していくとフレーム代がタダどころかマイナスになる場合も。

カンチレバー
ワイヤーで金属の棒状のパーツを引っ張り、リムにシュー(摩擦材)を押しつける形式のブレーキ。カンチレバーとは『片持ち』の意味でその通りフレーム側の取り付け部分一点を中心に動いていることに由来している。Vブレーキもカンチブレーキの一種である。

カンパニョーロ
ロードバイク乗りにとっては避けることのできない名前がイタリアのコンポーネントメーカー、カンパニョーロだ。創業者のトゥーリヨ・カンパニョーロはロードバイクコンポーネントの基礎となる様々なアイディアを考案、具体化することで、そのパフォーマンスを飛躍的に向上させた立役者。プロ選手だった彼が、酷寒のレース中にパンクしたホイールの交換に手間取った経験から、クイックリリースを生み出した逸話はあまりにも有名だ。「カンパ」と略すこともある。

ギヤ
自転車の場合、9段ギヤ、10段ギヤと変速段数を表すことが多い。より一般的には9速(そく)、10速と呼ぶ。

逆爪(ぎゃくづめ)
いわゆるロードエンドのこと。ピストバイク用エンドを正爪としているところから逆爪と呼ばれている。正爪ほど使われることはない言葉。

逆ネジ
ネジは右(時計周り)に回すと締まり、左(反時計周り)に回すと緩むのが世界共通。しかし、ペダルの左側など一部には緩み防止のため、逆向きのネジが使われている。頭では分かっていても実際扱うときは一瞬混乱する困った存在。うっかり力いっぱい回してしまい、ウンウン唸っている風景は初心者ツーリングの風物詩だ。

キャリア
ツーリングなどでバッグをくくり付けるための金具。またはクルマに自転車を載せるためのもの。前者の場合、最近のフレームにはキャリアを付けるネジ穴(ダボという)がないものが多いので困ったもの。後者の場合、屋根に載せてうっかり高架下を渡ってしまわないようにしたい。

キャリパー
基本的には、ディスクブレーキのローターを押さえつける金属の固まりのこと。シュー(摩擦材)、シューを動かすピストンなどを内蔵している。ピストンが2つあるものを2ピストン(つーぴすとん)キャリパー、2ポッドキャリパーという。

Q(キュー)ファクター
両方のペダルの中心から中心までの距離を指す言葉。この距離が短いと脚を回転させやすくなり、逆に距離が長くなるとトルク型のペダリングがしやすくなるとされている。一般的には短いQファクターの方が好まれる傾向があるようだ。ちなみにタイムやSPD SLは、足をペダルに固定した後でもペダル上で平行移動が可能になっており、ペダリングの違いが要求する理想的Qファクターを任意で設定できるようになっている。

クイック(クイックシャフト、クイックリリース)
工具を使わずにホイールを脱着できる仕組み。イタリアのカンパニョーロ社による発明品で、ロード、MTBの必需品。カムの力を利用してホイールを固定しているので、レバーをぐるぐると力いっぱい回すのは間違った使い方。見た目がそっくりでもぐるぐる回して使うスキュワーというパーツ(現在はほぼ絶滅)もあるのでややこしい。

クラウン
フロントフォークのヘッド下、二股に別れた部分。ロードの場合、ここのカタチにこだわるマニアも多いと聞く。MTBの場合はコレが一つの場合はシングルクラウンフォーク、ヘッドの上にもあるタイプ(主としてDH用)はダブルクラウンフォークという。

クランク
ペダルが取り付けられている左右一対の棒状の部品。ペダルを踏んだ脚力を回転する力に換える非常に重要なパーツ。金属の固まりでできているが実は、ペダルを踏み込むとたわんでしなっている。そのため硬さが非常に重要でグレードが高い方がたわみにくい。チェーンホイールとセットになって自転車のスタイリングを左右する、自転車の顔とも呼ばれ、とても目立つ部品である。

クランプ
あるパーツを固定するための部品。シートピラーを固定する輪のカタチをしたものはシートクランプ。シートバインダーともいう。

クリアランス
自転車パーツの大バーゲン、ではなく、部品と部品の間隔、隙間のこと。特にブレーキシューとリム、デイスクブレーキにおいてはシューとローターの位置関係などでの用例多し。ブレーキがキーキーと音を立てている時、「クリアランスをもうちょっと取ったほうがいいな」などと使う。

クリート
ビンディングペダルのシューズ側の小さな金具のこと。シマノ、ルック、タイム、カンパニョーロなどで互換性はない。コンビニで立ち読み中、背後でカチャカチャと金属音がしたら、自転車乗りがいると思って間違いない。

グリップ(タイヤ関係、ハンドル関係)
ハンドルの握りの部分のこと。多くはゴムで出来ており、太さ、長さ、硬さ、模様などで非常に種類が豊富。種類が豊富にあるということはヒトそれぞれの好みの差が激しいということの裏返しでもある。タイヤ関連ではタイヤが路面を掴む時の力をいい、滑りにくいタイヤを「グリップが高い」という。ちなみにグリップが浮いた砂やドロなどなんらかの影響で急激に失われた場合は「すっぽ抜けた」という。

グリップシフト
アメリカのコンポーネントメーカー、スラム社のシフター。オートバイのアクセルのように前後方向にグリップを回転させるだけで変速ができるので手を離さずに変速できる、操作方法が分かりやすいなどのメリットがある。MTBでは現在唯一のシマノ対抗馬だが、もう一つ煮え切らない感もあり。

クリンチャー
Clincher(しめ具、かすがい)。クリンチャータイヤ、クリンチャーリムというように、リム端がタイヤのビードを引っかけるフック状になっているリムに装着して使うタイヤやリム自体を指す時に使う言葉。10年ぐらい前まではWO(Wired On=ワイヤード・オンの略:通称ダブル・オー)タイヤと呼ばれていたが、最近ではクリンチャータイヤと言われることが多くなった。特に年齢が若くなるほどその傾向が強い。

クロス組み
ホイールを組む時のスポークの通し方を指す。ホイールを横から見た時に何本かを隔てたスポーク同士が交差している組み方全般をクロス組みと呼ぶ。スポークが交差しているため横方向の剛性も確保できるので、もっともコンベンショナルなスポークレイアウトとされる。またクロス組みと一口に言っても、2本、6本、8本組といったバリエーションがある。

クロスバイク
MTBとロードバイクの中間的存在の自転車。基本的にはMTB的な丈夫なフレームにストレートハンドルバー、タイヤ、ホイールはロード用といった感じ。ダート路面ではMTBにかなわず、舗装路の高速走行ではロードバイクにかなわないが、その微妙などっちつかずなポジショニングが街乗りにはナゼか調子いい。自転車レースの一形態であるシクロクロス用の自転車とは異なる。

クロスレシオ
隣りあったギヤの段数の差が少ないこと。たとえばMTBのリアカセットは11T〜34Tであるが、ロード用を取り付ければ11T〜24Tとなり、それだけ各ギヤの歯数が接近する。変速したときの脚への重さの変化が少なく、キメ細かい変速ができるが、自転車の場合ローギヤ側のギヤが高速になるので、自分の実力(脚力)と相談しないと痛い目にあう。

クロモリ
自転車によく使われるフレーム素材のひとつ。クロームモリブデン鋼の略。強度、耐久性に優れているのが特徴。マンガンモリブデン鋼などで出来たモノもあるので鉄フレームをすべてクロモリと呼ぶのは実は正しくない。一時期軽量なアルミ合金に押されていたが、しなりとばね感のある独特の乗り味が再び見直されている。「やっぱ鉄っしょ!」と好んで乗っているとかなりのツウに見られるという効用もあり。

ケーシング
タイヤの断面のカタチを保持するための構造のこと。「ケーシングが硬い」「ケーシングが柔らかい」という風に使い、エア圧が同じならケーシングの硬い方がタイヤのフィーリングも硬くなる。

ゲシる
ジャンプで着地点(バックサイド)まで届かず、タイヤがバックサイドの角に当たってはじき返されることを言う。当然はね飛ばされるのでゲシる→転倒→あ痛たた…というプロセスになること多し。本来はBMX用語だがMTBでも使われる。

削りだし
金属の固まりを機械で削って目的のカタチを作ること、またはそうして出来た製品。削りだしというのは俗語で工業的には切削加工(品)という。基本的には図面通りのモノが簡単に作れ、設計の変更にも対応しやすいのが特徴で少量多品種の生産に向く。シャープなエッジ、きらきらと光るアルミの表面、メカメカしいデザインで男心を(女心も)くすぐる。英語ではCNCと表記されているのも同義語。アメリカンブランドはこのCNC加工が得意で、デザイン的にも上手。

結線
先に説明したクロス組みのスポークの交差部分を針金で巻き、ハンダなどで固定することを結線と呼ぶ。交差部を補強することで構造体としての強度が増し、ホイール剛性をさらに増加させることができる。以前はプロロードシーンでもよく見られた玄人好みの工作だったが最近はあまり見られない。完組みホイールの台頭やスポークやリムの性能の向上で、こうした工作が不要になったのも要因だろう。

決戦
競輪の世界から来たと思われる日本独特の言い回しで、本番レースで使う機材一般を指す言葉として使われる。決戦ホイール、決戦タイヤ、決戦用バイクといった具合に使うが、初めて聞くとかなり違和感のある言葉かもしれない。

ケブラー
アラミド繊維のこと。とんでもなく引っ張りに強く同じ太さのピアノ線の数倍の強度を誇り、防弾チョッキに使われていることでも有名。その特性のためタイヤやカーボンファイバーの補強材として使われることが多い。カーボンファイバーに見える黄色い繊維がソレで最近は赤や青色のタイプも存在する。実は米デュポン社の登録商標。

減衰力
サスペンションユニット、もしくはサスペンションフォークの動作を制限する力。主としてオイルの粘度(粘り気)を利用し、衝撃によって縮んだスプリングがびよん!と勢いよく伸び縮みしないようにするのが目的。

ケンタウル
カンパニョーロの上から3番目のロードバイク用コンポーネントの名前。ギリシャ神話に出てくる半獣半人のアレである。レコード、コーラスといった上位機種同様10スピードとなっているうえ、価格的にも某国産メーカーの同位機種に負けないリーズナブルさを誇っているので、カンパ初心者にオススメのコンポ。またカンパは各グレード間のデザイン的違いが少ないので、下位機種を使っていても劣等感が少ないのも魅力か?

コイルスプリング
金属をらせん状に巻いたバネのこと。基本的にはスチール(鋼)で出来ているが最近はチタン製も登場してきている。一部を除き、受けた力に対して一定の割合で反発する(リニアな)特性を持ち、動きの様子が掴みやすいので主にFR、DH系に良く使われる。対する言葉としては空気を使ったエアスプリングがある。

剛性
モノが外から力を受けた際の変形しにくさのこと。もしくはその感じ(剛性感)。剛性が高いといえば変形しにくく、低いといえば簡単に変形する。これが高いとパワーを逃さず、フィーリングがカッチリする。また、操作していてもシャッキリ気持ちがイイ。コンポーネントなどは普通、グレードが上がれば上がるほど剛性が高くなる傾向にある。ちなみに剛性が高い=強度が高いとは限らないのがポイント。たとえば、ガラスは剛性は高いけれど強度は低く、コンニャクは剛性は低いけれど強度は高いといった感じ。

コーラス
レコードに次ぐカンパニョーロのミドルグレードモデル。セカンドグレードとはいえ、使われる素材(カーボンパーツは使われていないが)や機能はレコードとまったく同じで、その違いは、仕上げや微妙なデザイン的差異など、性能に直接関係のない部分に限られる。走りに徹する人ならば、レコードよりコーラスを使ったほうが、かえって通っぽいというハナシもないことはない。

コグ
カセットスプロケットの別称。コグセットともいう。ちょっとアメリカ英語っぽい響きあり。

こそ練
大事なレース前に仲間を油断させるために一人でこっそりと行う練習のこと。その際絶対に見られてはいけないし、練習した痕跡を残してもいけない。夏ならば日焼けしないように長袖ジャージにロングタイツという季節感無視のスタイルがオススメ。仲間には会うたびに、「いや〜最近忙しくて1oも乗ってないよ〜」とかなんとか言って油断させておくことは言うまでもない。こうしておけば、たとえ本番で負けても言い訳する必要もないので大変便利だ。

コッタレスクランク専用工具
昔のクランクは、コッタという一種の抜け止めのクイのようなものでBBシャフトに固定されていた。しかし現在主流のクランク固定方法は、クランク挿入口とBBシャフトの両方にテーパーをつけ、圧入時の互いの摩擦力で固定する仕組みで、これをコッタレス(コツタを使わない)クランクと呼んでいる。つまりコッタレスクランク専用工具とは、この摩擦式固定方法を採用しているクランクを脱着するための工具のことを指す。

コネクティングピン
直訳すれば接続するためのピン。だけど自転車用語としてはチェーンを切断した後に再びつなげるためのピンのこと。専用チェーンカッターで切断し、新たにこのピンを押し込んでチェーンの張り替え、コマ詰めをする。先端をポキリと折るためアンプルピンとも呼ばれる。

転がり抵抗
タイヤの評価軸のひとつ。タイヤが自然に回転していくときに転がりを止めようとする(スピードダウンさせようとする)抵抗力のこと。これが強いとペダルが重たく感じたり、スピードの乗りが悪くなる。逆に転がり抵抗が少ないということは縦方向のグリップが少ないということなので、ブレーキの効きに劣る傾向にある。タイヤの性能はあっちを立てればこっちが立たずの典型。

コンパウンド
タイヤのゴムそのもの、もしくはその特性。「コンパウンドが硬い、柔らかい」と使うことが多い。一見同じゴムに見えても各社、各モデルでその性能は大きく異なっており、メーカーの腕の見せ所。最近はグリップが高く、しかもコントロール性の良い低反発コンパウンドが主流。これもまた、基本的にグリップが良ければ減りやすいなど一長一短アリで悩みは尽きない。

コンプレッションホイール
スポークを使って組まれているコンベンショナルなホイールは、スポークに張力がかかっているためテンション(張力がかかった)構造のホイールに分類される。それに対してコンポジットホイールのように、強度を持った構造物によって構成されるホイールのことをコンプレッション(圧縮構造の)ホイールと呼ぶ。後者の方が回転体としての効率は高い。クルマやオートバイのホイールもコンプレッションホイールとすることができる。

コンポーネント
変速機、シフター、クランク、チェーン、ハブ、カセットスプロケットなど、主として変速、駆動系周りを中心とした自転車用パーツの総称。変速性能などを追求していった結果、コンピューターを駆使した非常に精密かつ微妙な専用設計になったため同一メーカーでチェーンもスプロケットも統一しないと性能が発揮できない。シマノ互換、カンパニョーロ互換と称して売られているパーツも「動きますよ」という意味で「シマノと同じ性能ですよ」と言っているワケではないので念のため。いにしえのマニアは数種類のメーカーから相性の良し悪しを楽しんだというが、それはもはや昔話。

コンポジットホイール
先に説明したコンプレッションホイールの代表格がこれ。3〜4本のアームでリムを支える構造のものがほとんどで、空気抵抗を低減させるためにアームが翼断面になっているものもある。使われる材質は100%カーボンファイバー。空力がよいうえ圧縮構造ということもあいまって走行性能は非常に高く、タイムトライアルではほぼ例外なくこのホイールか、同じくコンプレッション構造のディスクホイールが使われる。

サイクルコンピューター
速度、走行距離、平均速度などを表示する自転車専用メーターのこと。上級モデルになると、ケイデンス(クランクの回転数)、現在のギヤ段数などを表示してくれたり、回転センサーがワイヤレスになる。コンピューターという割には意外と単機能だったりする。

最大歯数差
キャパシティーともいう。フロントチェーンホイールのアウターギヤとインナーギヤの歯数差、あるいはリアスプロケットの最大ギヤと最小ギヤとの歯数差のこと。説明書などに設定されているこの数値を超えるギヤの組み合わせでも変速は可能だが、本来の性能は発揮できない。

サイドプルブレーキ
ブレーキキャリパーを動かすためにはワイヤーでブレーキアーチを引っ張ってやる必要があるのだが、サイドプルブレーキというのは、ワイヤーが文字通りアーチサイドに設定されているブレーキを指す。シンプルな構造ながら確実で高いストッピングパワーが実現できるため、現在主流となっているブレーキシステム。

サグ(SAG)
自転車に跨った時に最初にサスペンションが沈み込む量。初期沈み込み、省略して初期ともいう。メーカーモデルによって違うが全ストロークの1/4〜1/2が目安といわれている。ブレーキングや凹凸の凹部分にさしかかった時にタイヤが路面を捉えるために絶対に必要。「走ってもいないのに沈むなんてもったいない!」なんて思っていませんか?

サスペンション
オフロードを走るMTBという乗り物にやっとというか、いまさらというか装着されているメカニズム。語源は英語のつり下げる、宙づりのサスペンドから。要するに車体とタイヤをつり下げて、凸凹の衝撃を吸収し、タイヤが地面を離れないように接地させるのが目的。街乗りではフワフワが好まれるがレースや真面目に走るライダーからはしっとり動くモノが好まれるなど、ユーザーによって評価が対極に分かれる面白い存在。

サスペンションバイク(Wサスペンション参照)
一般的には前後にサスペンションが付いたMTB、もしくはリアサスペンションがついたフレームを指す。前だけサスペンション付きのリジッドバイクにはあまり使われない。本編のフルサスペンションツアラーのベース車両となるもの。

サスペンションリンク
ホイールの動きをサスペンションユニットに伝えるための棒状の部品のこと。目的はペダルを漕いだときに脚力がサスペンションをフワフワさせないようにするためと、作動の特性(プログレッシブ特性など)を変えるため。この角度、取り付け位置などで、超絶性能もダメダメも自由自在(といっていいのかどうか)で、性能面で恐ろしいほどの影響力を持つ。各種形式があって代表的なものに4バーリンケージ、VPP、ローウィルなどがある。

サドルバッグ
サドルの後ろ下にぶら下げるようにつける小型のバッグのこと。簡単な工具セットやパンク修理キット、スペアチューブなどを入れる。あまり大きいサドルバッグはペダリングの邪魔になるので、必要最小限の大きさのものを選びたい。なによりカッコ悪いしね。

サンツアー
かつてシマノのライバルとして活躍していたコンポーネントメーカー・前田工業のブランドネーム。現在リアディレイラーの主流となっているスラントパンタ方式(ディレイラーのパンタグラフが斜めに移動する)と首つき横置き(パンタグラフがピボットボルトに対して横向きに置かれている。いわゆる横メカ)のレイアウトは、このサンツアーが考案したものだ。現在はSRサンツアーとしてブランド名が復活している。

地足
これもおそらくは競輪界からきていると思われる業界用語。「じあし」と読む。元気なときだけ速いのではなく、疲労してからもコンスタントに速く走れるような基本的な脚力を備えている人のことを形容するときに使われる。「最後は○○さんとの争いになったんやけど、やっぱ俺の方が地足があるやんか。結局はブッちぎりよ、ブッちぎり!」みたいに使う。ワープロでは100%出ない単語。またわざわざ単語登録する必要もない。

CNC(削りだしと同義)
Computer Numerical Controlの略。削りだしパーツを作る旋盤の刃をコンピューターと3次元の座標によって決める制作手法もしくはその機械のこと。CNCといってもすべて高品質とは限らないのがポイント。

シートチューブ
シートピラーを差し込むフレーム部分のこと。BBから上側に伸びているチューブを指し、サドルの高さ調節の余地があるようになっている。リアサスペンション付きのMTBではサスペンションユニットが邪魔をしてサドルの上下調整幅が数pのモノや、競技用トライアルバイクのようにサドルもろともなくなってしまい、ほとんど自転車の盲腸と化している場合もある。

シートピラー(シートポスト)
サドルを取り付ける棒状の部品。サドルを直接くわえる部分をナゼかヤグラと呼ぶ。品質の低い製品だと、走行中に突然サドルがズレて真上を向いたり、ぽっきり折れたり大変なことになる。が、性能の違いが実感しにくいパーツの一つなので、かなりの高級バイクでもピラーはなおざり、というユーザーが案外多い。見るヒトが見れば「ああ、手ぇぬいているな」とバレバレである。英語ではシートポストが普通でシートピラーは和製英語という説もある。

シートピン
シートピラーを固定するためのネジのこと。クイックリリース式やシートクランプがフレームと別パーツの場合は使わないことが多い。

シールドベアリング
グリスなどが流れ出さないように、またゴミ、ホコリなどが内部に入らないようゴムや樹脂でフタをしたボールベアリングのこと。ヘッドセット、ハブ、サスペンションピボット部分などに多用される。実は日本で「シールドベアリング」というと金属でフタをした(=Shield)ベアリングを指してしまう。MTBなどのゴムでフタをしたベアリングはシール(=Seal)ベアリングと呼ぶ。ところが自転車用語としては英語をカタカナにするから「シールドベアリング」(Sealed=シールされたという意味)で表記は同じ…あ〜ややこしや。

シクロクロス 
陸上のクロスカントリーの自転車版。ロード選手のオフトレとしても行われる。コースには障害物が設置してあり、選手は自転車を担いで走ることもある。カンチブレーキ使用のロードバイクに太いタイヤを履かせたようなバイクを使用する。走れないところは担いでしまうのでMTBほど走破性はない。レース時間のほとんどを無酸素運動域で争う激しい種目で、レース中の選手の多くは汗とドロとヨダレと鼻水にまみれて走る。

直付け
ブラケットやバンドを介さないで部品がつくようになっていることを表現する言葉で、特にフレームについてよく使われる。大昔のフレームは、溶接の熱でチューブの性能が損なわれるのを嫌ってフロントディレイラーやシフトレバーの台座が溶接されていなかったから、これらの台座が設定されていることを指して、「直付け加工がされている」と区別して言っていた。

シッティング
自転車のサドルに座ってペダルを踏む行為を指す。サドルの前方に座って走ることを前乗り、後ろ気味に座ってペダリングすることを後ろ乗りなどとも俗称する。ペダリングの基本となるだけにおろそかにできないのが、このシッティングである。

しなり
そのものズバリ、物体が力を加えた時に変形する様子。誰が漕いでも自転車はBBを中心に左右に釣り竿のようにしなっており、その変化量は数pに及ぶ。他にフレーム全体、フロントフォーク、クランクなどあらゆる部品が変形→戻るを繰り返しており、その変化を剛性感として感じている。ちょっとスポーツバイクに乗り慣れるとこのしなり感(=乗り味の重要な要素の一つ)がモデルごとに違うのが分かってくる。金属だからって絶対変形しないワケじゃないのだ。

シフトチェンジ
ギヤの組み合わせを変えること。1→2→3と一段ごとではなく、1→3というように離れた段数にチェンジすることを「飛ばしシフト」という場合もある。

シフトレバー
シフトチェンジをするための装置のこと。シマノの場合はラピッドファイアという商品名で引き金状のレバーをを親指で押し、人さし指で引くことでシフトアップとシフトチェンジを行う。シフターともいう。

シフトワイヤー&アウター
ディレイラーを動かすためのワイヤーのこと。直接動かすための複数のピアノ線を撚りあわせて作られた細いワイヤーをインナー、インナーを保護するパイプをアウターと呼ぶ。ブレーキワイヤーのインナーもあるが、ブレーキ用の方が太いので区別はできる。

シマノ
一説によればロードコンポーネントの6割、MTBコンポの8割の市場シェアを牛耳る日本のメーカー。性能の高さ、信頼性、調整のしやすさ、使いやすさ、メンテナンスの頻度の少なさ、価格など、さすがお箸の国の工業製品といわずにいられない。一方、そのシェアの高さ故にディレイラー取り付け位置やBB幅、エンド幅など一部を除きすべてのフレームメーカーがシマノ規格に沿って製造しているといっても過言ではない。周りがみな使っているモノは面白くないというマニア気質(世間で言うところのあまのじゃく)からアンチシマノ派も存在する。

シャフト(アクスル参照)
主として回転部分の中心にある棒状の部品。棒が無垢の場合はソリッドシャフト、真ん中に穴が貫通しているものは中空シャフトという。

シングルクラウン
MTBでもっとも一般的なヘッドの下にのみクラウンが付いているサスペンションフォークのこと。

シングルピボット
MTBのリアサスペンション形式の一つ。ある一点を中心としてリアアクスルが円を描くように動くというのがその定義。複雑なリンクを施しているように見えるサスペンションでも分類上はシングルピボットの場合が数多く見られる。特に一見4バーリンケージに見えるタイプでもよく見るとアクスルが一点を中心に回転している場合、口の悪いマニアは「なんちゃって4パー」と呼ぶ。

振動減衰特性
路面からの衝撃などによって生じる振動がどのように吸収されていくかを総体的に表す言葉であるが、とりわけフレーム素材のよしあしについて言及するとき使われる言葉。振動減衰にもっとも優れるのはカーボンで、アルミはもっとも振動を吸収しにくい素材である。フレーム体が振動をすみやかに減衰することで、車体が跳ねることなく常に路面と接触し続け、その結果高い走行効率が実現されるという実験結果も出ている。

スカンジウム
アルミの性能を飛躍的に向上させる薬味となる元素(元素番号21番)。アメリカのスポーツ用品メーカー、イーストン社が自転車用フレーム材としては初めて実用化した。ほんの2〜3%程度アルミ合金に混ぜるだけで、引っ張り強度、耐力、伸びが10数%アップし、アルミの弱点である溶接による強度低下が非常に少ないのが特徴。スカンジウム合金は硬いと言われているがこれは通説に過ぎず、逆にしなやかなフレームを作りやすい。登場当時は、その高い性能とともに、旧ソビエトのロケット用に開発された合金という触れ込み(これは事実)の微妙な怪しさに魅かれたといえなくもない。

スケルトン
前後タイヤ間の距離(ホイールベース)、ヘッドアングルなど、自転車の走行性能を左右する、各部サイズの総称。和製英語だが、たしかにフレームを見ると骨やガイコツに見えなくもない。

スタンディング
スポーツバイクでの走行テクニックの一つ。足を地面に着けずにその場に静止すること。本来はトライアルの基本テクニックだが、街乗りでの見栄っ張りテクニックの一つとして信号で行うのも効果的。もっとも失敗したときの恥ずかしさも…。

ステアリングコラム
フォークのクラウン上部、ハンドルを切る時に回転の中心となるパイプのこと。ほぼ絶滅種となったノーマルヘッド用のステアリングコラムはネジ山が切ってあり、アヘッドに対応していない(してはいけない)。日本語ではステ管ともいう。

ステム
ハンドルとステアリングコラムを連結する棒状のパーツ。これの長さ、角度によって自転車のハンドリングが大きく変わるため、プロでも新車の時は注意する。完成車でも自分に合わせたいのでいの一番に交換されてしまう短命パーツでもある。

ストリート
直訳すれば街中。街中の階段や段差などを飛び越えたり当てたりとスケートボード的MTBやBMXの遊び形。会社や学校の帰りや近所でも楽しめ、なおかつテクニックも身に付くが公共物を破壊してり他の人に迷惑をかけないように注意したい。微妙にアングラかつ微妙に後ろめたい響きがないこともない。

ストレートドロップアウトエンド
なんだかインディーズのパンクバンドみたいな名前だが、れっきとした自転車用語。フレームやホイールの芯が出ていないときにアクスルの位置を微調整するためのネジがついているいわゆるロードエンドとは対照的に、一切の調整機能を持たないエンドをストレートドロップアウトエンドと呼ぶ。調整機能はなくともこちらのほうがコンパクトで軽量なため、最近のフレームはほとんどこれを採用している。

ストレートフォーク
一般的なフロントフォークは地面に向かって緩やかにカーブを描いているが、ストレートフォークは文字通り地面までブレードがまっすぐ伸びている。1970年代からちらほら見かけられたがあくまで少数派だったのが、86年にコルナゴがフェラーリと共同開発したコンセプトモデルに装着されていたストレートフォークの登場によって一気に一般化した。ベンドしていない分反応がダイレクトとされている。

ストローク
サスペンションユニットもしくは前後アクスル(車軸)の移動量。それらが動いている様子を指す場合もある。特別なケースを除いて、リアはユニットストロークの3倍程度動くのでトラベルよりストロークが多く、フロントフォークはストローク量がそのままトラベルとなる。正確にはトラベルはダンパーが純粋に動いた距離でストロークはアクスルの移動距離のことだが、実際はネイティブな英語圏でもメーカーにより表記はバラバラ…。慣例上単位がインチ(1インチ=約25.4o)なのはMTBがアメリカ生まれだからであろう。

スネークバイト
ツーリングやトレイル走行で誰もが必ず1回はヤラかすパンクの原因の王道。障害物に勢いよく当たったり、タイヤ空気圧が低すぎるとリムの縁とタイヤにチューブが挟まれて穴が開き、パンクする。穴が2箇所に空き、まるでヘビに噛まれたように見えることからこの呼び名がついた(らしい)。

スパイダーアーム
クランクとチェーンリングを結合するヒトデ型の板状パーツ。メーカー、モデルによってネジの本数(4または5本)、ネジとネジの間の距離(PCD)などが異なっている。またクランクと一体式のモノと別体式の両方がある。

スプリング
ある一定の力を一時蓄え、再び放出する機構または部品。金属の渦巻き状のモノはコイルスプリング、空気を圧縮するものはエアスプリング、棒をねじることで機能するものをトーションバーと呼ぶ。サスペンションだけでなく、ディレイラーのリターンスプリングなどあらゆる部分に使われている。

スプロケット
チェーンと噛み合わせて力を伝達するための円盤状の部品。ギヤと呼ぶ場合もあるが、こちらの方がより正確。略してスプロケという場合も。

スプロケット抜き工具
スプロケットを抜くための工具。スプロケットは回転するので普通の工具では空回りしてしまうため必要となる。

スペーサー
各部のサイズ調節、長さ調節に使われるパーツ。アヘッドステムの高さ調整には必需品。

スペック
自転車、フレーム、パーツの各部サイズ、重量、色、素材、製法、価格などのカタログ記載の数値やデータのこと。初心者は理解できず、中級者になると気にし始め、それだけでご飯を軽く3杯はイケるようになればマニアの仲間入り。もちろんある程度性能の判断はできるものの、耐久性、精度、剛性などは分からないので、スペックがすべてというわけではない。またメーカーの自己申告であるから微妙に、というか絶妙にアテにならない困った存在。特に一部イタリアもんのスペックはスーパーカーの最高速と同じぐらいの信頼度だったりする。

スポーク
ホイールを構成するパーツの一つ。ハブからリムへ放射線状に伸びる金属の細い棒のこと。ホイール1本に対して32本のスポークを使うのがもっとも一般的だが、ロード用の特殊なホイールでは14本程度のものもあり、BMXでは48本もある。数が多くなればそれだけ強度が増すが、重量も重く空気抵抗も大きい。

スラント角
スプロケットは富士山のような台形をしているが、その傾斜角をスラント角という。リアディレイラーは組み合わせるスプロケットのスラント角にあわせて動くように設計されており、MTB用とロード用ではこの設計角度が違う。

スリックタイヤ
プロックなどがないツルツルまたは浅い溝だけのタイヤのこと。主にMTBの街乗り、オンロード走行用として発売されている交換用タイヤを指す。ロードバイクのタイヤは元々オンロード走行用なので、あまりスリックタイヤとはいわない。雨の日のマンホールなどの上ではあっという間にコケるので気をつけたい。

スルーアクスル
アクスル(車軸)がハブを貫通しており、エンドの外側または横からボルトで締めつける形式を指す。主にD系、下り系と呼ばれるMTBに使われており、剛性や強度が高くなる。弱点としてはホイールの脱着に工具がいること。

スローピング
フレームのトップチューブが後ろ下がりに傾いている(Sloping:傾斜したという英語)スタイルのフレームを指し、「スローピングフレーム」とか「スローピングバイク」というように使用することが多い単語。もともとMTBはこのスタイルが一般的だったが、奇才マイク・バローズがロードバイクにもこのスローピングスタイルを採用し、一気に広まった。フレームを小さく作れるので高剛性化や軽量化が期待できる。

正爪
エンドの名称の一つ。ロードバイクのエンドは進行方向に向かって挿入口が開いているが、正爪(せいづめと読む)エンドはバイクの後方からホイールを入れるようになっている。このタイプのエンドは変速機を持たないBMXやプレイバイク、ピストバイクに主に使われている。というのも、この構造だとホイールを後方に移動することが可能なので、ギヤ比によって微妙に変化するチェーンの張り具合を微調整することに向いているためだ。

センター出し
読んで字のごとく、中心を出すこと。アクスルに対してリムを真っすぐに、また回転中心からリム外周が均等になるようにスポークを調整する時、ブレーキシューの左右を均等にする時などで使う。垂直なモノは垂直に、水平なモノは水平に、平行なモノは平行に、が機械いじりのキモ。近い言葉に「芯を出す」がある。余談だが、精度を出すことを「寸法を出す」というのは職人用語。

センタープルブレーキ
ブレーキアーチを作動させるためのワイヤーがブレーキのセンターに位置しているタイプのブレーキのこと。BMXに多くみられる。ロード用センタープルブレーキは最近すっかり見なくなった。構造が複雑な割には制動力はそれほど向上しないうえ、メンテナンスも難しいのがその理由とされる。最近のロード用センタープルブレーキはカンパのCレコードやシマノAXのそれ。とはいえ前者は約20年前、後者は約30年前の代物。

前面投影面積
空気抵抗を減らすためにもっとも重要なファクターが前面投影面積だ。自転車を前から見た時に占める面積を減らせば減らすほど抵抗は少なくなるというわけだ。たとえばディスクホイールの空気抵抗が少ないのは、スポークがないため空気の流れが乱れないからというのもさることながら、前面投影面積が少ないことも大きい。これはスポークホイールと比較してみると、後者はスポークが大きく横に張り出していることで理解できる。

ソフトテイル
ハードテイル、リジッドフレームに対してよりしなる構造を持つフレーム。チェーンステー側にピボットはないものの、シートステー上部にサスペンションユニットやエラストマーを取り付け、素材そのものがしなるようになっているため、ストローク量が1〜2pある。一時期XCレースで流行したが、リアサスペンションが発達したため、現在はエンデューロやツーリング的用途に使われることが多い。カーボンバックやリアサスペンションフレームとは明確に区別される。

ダート
MTBが走る路面のこと。未舗装路や土の道のことであるので、世間的にはオフロードといった方が通りがいいハズなのだが、あえてダートと呼ぶところにMTB乗りの「オレたちゃアメリカ生まれの面白いモンで遊んでいるんだぜぃ」という自負が微妙に、しかしハッキリと含まれている。

タイコ
ブレーキワイヤー、シフトワイヤーの片方にある円柱状の金属製ストッパーのこと。こちら側がレバーやシフター側になる。目的はもちろんワイヤー抜け防止。シフト用とブレーキ用は円柱の方向が異なるので区別できる。

タイムペダル
ルック、SPD SLらと並ぶロードバイク用ビンディングペダルの代表的存在。ペダル軸と踏面との距離が非常に近く、ダイレクトなペダリングが可能になっている。また足をペダルに固定した後でも平行方向に動かすことができるため、乗り手のストレスを低減できるというのがセールスポイント。ビンディング後にも足を動かすことを可能にしたアナトミックコンセプトは、タイムが元祖としていい。

タイヤ
初心者ほど気にせず、走りにコダワリだせばだすほど気になる存在。どんなに軽いフレームでも、どんなに高性能なサスペンションがあっても、どんなに脚力があってもタイヤが滑ったら意味ナシである。タイヤの太さ、パターン、コンパウンド、そして忘れがちな空気圧で性能は全く違う。要するに最も効果的なチューニングパーツである。

タイヤパッチ
限りなく絶滅寸前(?)となっている自転車用補修部品。穴の開いたチューブの穴を接着剤付きのパッチでふさぐことでパンクを修理する。が、タイヤチューブの販売価格が下がりに下がった結果、修理代よりチューブ代のほうが安く、修理するより新品にしたほうが安い、というのが偽らざる現状。パンク一つで資本主義経済を語ることができたりする。

タイヤレバー
タイヤの交換の時に使う専用レバー。多くの場合は粘りのあるプラスチックだが、最近の硬いDH用タイヤでは歯が立たないので金属製を使うこともある。MTBを買ったらはじめに買いたい工具の一つ。

タイラップ
ワイヤー類を束ねたりゼッケンを固定したり、何かと役に立つプラスチック製のバンド。ストッパーが付いているので一度締めると切断しない限り緩むことはなく、固定力も強力。本来は電気工事などで電線を束ねるためのもの。ジップタイともいう。

台湾
スポーツバイク業界を支える世界の自転車工場。アメリカンブランドでもイタリアンブランドでも日本のブランドでも多くのフレームやパーツは台湾で製造されており、○○○社と×××社の製品がクリソツという現象には見て見ないフリをするのがマナー(?)。実は世界で最もアルミフレームの量産溶接技術があり、本国製より仕上がりがキレイだったりする。台湾製の表記に安かろう悪かろうという(間違った)イメージで過剰に嫌悪感を抱くかどうかはエセマニアの一つの踏み絵。もちろんドコ製であろうがそのロゴが付いている以上、良くても悪くても名誉も恥も一身に受けるのがブランド商売。

ダウンチューブ
自転車のBBとヘッドを結ぶフレームチューブのこと。最も力がかかるため多くのブランドでは一番太いチューブを使用している。ダウンチューブを太くしていった結果、トップチューブがなくなってしまったフレームもある。

タケノコバネ
クイックリリースに付属しているバネの俗称。見た感じがなんとなくタケノコを想像させるためと思われる。確かに形は三角形だが、なにもタケノコ呼ばわりしなくっても…という気がしないではない。「クイックリリースハウジング&レバーサポートコニカルスプリング」なんてした方がカッコイイと思うが。

ダブルクラウン
フォークのクラウン部分がヘッドチューブの上下にあるサスペンションのこと。

Wサスペンション
前後にサスペンションが搭載されたMTBのこと。発音は「ダブルサスペンション」だが「ダブルサス」、「ダブサス」と略す場合も。ナゼか人によりWサスペンションと「フルサスペンション」(略してフルサス)と表現する人に別かれる。自分はフルサス(Full Suspension)党。なんとなく響きが良い。

Wレバー
ダウンチューブに付いている昔ながらの変速レバーのこと。レバーが二つあるからW(ダブル)レバーとのこと。

ダボ
泥よけやキャリアなどを取り付けるためのネジ穴のことで、エンドに溶接されていることが多い。レース用バイクにはもちろん見ることができない工作だが、なぜかトレック5900というバイクにはダボ用のネジ穴がある。外来語っぽいが実は日本語で『太柄』と書くのはあまり知られていない。

タレる
特にクロスカントリーやロードレースで出場者のコメントに多く用いられる用語。レースやツーリングなどで「前半に頑張り過ぎて、後半にバテバテになる」こと。語感からしていかにも疲れてペースが落ちた様子が感じられる優れた文学的表現である。過酷に使用されてアップハンドルの曲げが変形してきた場合にも使われる。コッチはどちらかというと物理的表現か。

ダンシング
シッティングの対義語というか要するに立ちこぎのこと。かといってスタンディングとはあまり言わない。身体全体の筋肉や体重を利用してペダリングできるためシッティングより重いギヤが踏めるが、長時間続けることはむずかしい。ここぞという時に使うペダリング方法。

弾性率
主にフレーム素材の特性を表現する時に使う単語で、かけられた力に対して素材の変形する値を表す時に用いる。いろいろな単位で表すことが可能だが、一般にTon(トン)という単位を用いる。スチールは約21トン、アルミは約7トン、カーボンは24〜80トン。数値が大きいほど素材特性は優秀とされる。

鍛造
金属に圧力をかけて組織を密して強度やねばりなど物性を向上させる製法。クランクやステム、ブレーキアーチ、キャリパーなどがこれによって作られる。うどんの生地を力を入れてこねた方がコシが強くなるのと似ている。ドロドロに熱した金属で行う熱間鍛造とやや赤くなるくらいの硬い状態で行う冷間鍛造がある。CNCと同様に鍛造といってもピンキリなのがユーザーには頭が痛い。英語ではコールドフォージド(Cold Forged)。

ダンパー
減衰力を発生させる機構のこと。サスペンションユニットの中で筒状の部品とそこに出入りするロッドを指していてスプリングなどは含まれない。

チェーン
金属のコマをつなげた動力伝達装置。自転車の場合8速、9速、10速が一般的だが、それぞれのチェーン幅が違うので互換性はない。潤滑不足で赤サビだらけではみっともないが、オイルのつけすぎも注意したい。余分なオイルがあるとホコリを呼びギトギトのボソボソになってしまい、かえって汚い。テンプラじゃないんだから。

チェーンカッター
チェーンを切るための専用工具。

チェーンステー
BBとリアアクスルを結ぶフレームのパイプ部分。

チェーンテンショナー
チェーンの張りを一定に保つための機構。チェーンデバイスと同義。

チェーンライン
フレームのセンターからアウターリングとインナーリングの間(MTBはセンターリング)までの距離のこと。チェーンホイルやボトムブラケットの説明書に載っているこの数値を守らないと、チェーンが大きくねじれるアウター×ローや、インナー×トップへの変速に支障が出ることがある。もっとも多段化が極限まで進んだ現在は、アウター×ローやインナー×トップはどんなに調整してもあまり具合がよくない傾向がある。

チェーンリング(チェーンホイール)
アウターと同義。

ちぎれる
スピードが上がった集団から遅れること。動詞は『ちぎる』。例:俺はゴール直前でヤツをちぎった。受け身形は『ちぎられる』。例:あの激坂でちぎられた。形容動詞は『ちぎれた』。例:そのころちぎれた後方集団では…。

チタン
原子番号22番、元素記号Tiで示される金属。比重は鉄(鋼)の約2/3、引っ張り強度はアルミ合金の倍以上で同一重量あたりの強度(比強度)では最も優れている自転車用フレーム素材。独特の茶色の素材色、錆びないという特性、製造に手間がかかること、航空宇宙軍需産業生まれの素材、で、おまけに高価というワケで熱心なマニアが存在する。チタンマニアはフレームだけに飽き足らず、パーツ、ネジ、メガネフレーム、マグカップ、パソコンなどなど、なんでもかんでもチタン色にぴくぴくっ!と反応しててまう生態を持つ。

チューブラータイヤ
クリンチャータイヤやオフロードバイクのタイヤのように外側のタイヤの中にチューブを入れるのではなく、タイヤの中に最初からチューブが縫い込まれている構造のロードバイク用タイヤのこと。外見は細い浮き輪のような形をしている。リムセメントという特殊な接着剤でリムに貼り付けて使用する。構造が単純なためクリンチャーより軽く仕上がるうえ、ショック吸収性も一枚上手とされているが、扱いにはある程度経験が必要になる。

チューブレス
読んで字のごとく、チューブのないタイヤのこと。クルマなどのタイヤと同じように空気を直接タイヤ本体に入れる。余分なモノがないので転がり抵抗が少なく、グリップも高い。また低圧でもパンクしにくく(しなくはない)、万が一パンクしても空気が急激に抜けることは少ない。もちろん、タイヤ、リムともに専用品が必要。

チョイ差し
敵の後ろについて走り続けてエネルギーを温存し、ゴール間際で前に出て勝ちをさらってしまうこと。これはもっとも軽蔑される勝ち方(ホント)で、チョイ差しする奴は友達も少ないし、一生貧乏するとされている(これはウソ)。「チョイ差しする人は卑怯!」といった感じ!?反対に長い距離を単独で逃げ切ってしまう勝ち方はもっとも高く評価される。

丁(T参照)
スプロケットの歯数を示す単位。英語のTeethのTに漢字の丁が似ているから、という説アリ。

ツーキニスト
自転車で通勤する人。正しくは自転車ツーキニスト。某テレビ局職員疋田智氏による造語である。他の通勤手段があってもあえて自転車に乗り、その通勤プロセスさえも楽しもうとする積極性が旧来の「自転車通勤」との違い。またマゾっぽく雨が降ろうがヤリが降ろうが何が何でも自転車で毎日…というのも違うチと知的なカジュアルさがある。
満員電車でオヤジの臭いを嗅ぐこともなく、クルマで大渋滞のストレス攻撃を受けることもなく、おまけに健康的といいことづくめ。今後の盛り上がり次第では流行語大賞にノミネートされるかも。

ツーリング
要はサイクリングのことだが、最近はこの言葉の方がポピュラーなようだ。サイクリングという言葉の響きが古臭いせいか!?人によっては散歩程度ならサイクリング、キャンプ道具などを持って何日間か走るのをツーリングと使い分けている場合もあるようだ。

突き出し
ダブルクラウンフォークの上側クラウン上面からアウターまたはインナーチューブの出ている量。モデルによっては数o単位でこの量を変更でき、それによって相当大幅にハンドリングが変わる。極端に変えすぎるとタイヤとクラウンが接触し、マジで危険。

T(歯数)
スプロケットなどの歯数を示す単位。英語のTeethに由来しており、13T、44Tなどと表記される。発音は「ティー」とそのまんま。

ティーティー(TT)
Time Trial:タイムトライアルの略。ロードレースでは個人TT、チームTTの2種目があり、決められた距離を各選手、あるいは各チームが単独で走り、一番速い人やチームが勝者とされる競技。アシストの助けが期待できない個人TTは各選手の実力がはっきり表れるため、別名「真のロードレース」とも呼ばれる。

TTバイク
タイムトライアルで使用するバイクの名称。空気抵抗との戦いが要求されるTT用バイクはエアロダイナミクスの追求を第一に作られており、前面投影面積を極限まで減らすために、前から見ると一枚の板のように見えるほど薄いフレームもある。またライディングポジションも低く設定されるほか、ハンドルやピラーには翼形断面のものを使うなどの空気抵抗削減が図られている。車輪はもちろんディスクやコンポジットホイールだ。

TIG溶接
スチール、アルミ、チタンフレームの溶接として現在最も普及している方法。Tungsten Inertia Gasの略で「ティグ」と発音する。熱による酸化を防ぐため、タングステンという不活性ガスをジャバジャバと溶接部分に吹き付けて作業する。旧来のロウ付けより強度、量産性に優れるが、登場し始めたころは溶接部分が美しくないと伝統を重んじる一部ロードファンから非難を浴びた。しかし今となってはTIG溶接以外の方法を探すほうが大変。

DHポジション
スキーのダウンヒル競技の選手が取る、腕を前に伸ばしたクラウチングフォームにヒントを得て考案されたライディングフォームで、もっとも空気抵抗を受けるライダーの前面投影面積の大幅な低減に成功した。今ではTTでこのポジションを取らない選手はいないほど一般的なポジションとなっている。DHポジションを取るためには、ハンドルバー中央付近にDHバーと呼ばれる前方に伸びる形のアタッチメントハンドルを使用する。

ディープリム
いわゆる背の高いリムのことで、横から見ると普通のリムとの違いは一目瞭然だ。通常のリム高が10o前後なのに対して、ディープリムのそれは約30o〜60oと非常に背が高くなっている。またホイール外周部の空気抵抗削減のため、断面形状は鋭い二等辺三角形になっている。そのため平地では抜群の高速持続性を発揮する。とはいえ、いくらディープリムを使っても、強くなければ速く走れないのは言うまでもない。

ディグリーザー
簡単に言えば汚れ落とし。チェーンなどの油が古くなったり、ホコリを呼んで汚くなりやすいので必需品。汚れ落としだけだったら灯油などでもできるが自転車のパーツは同時にゴムなど樹脂も付いているので使用不可。ディグリーザーはそれらを侵さない成分で構成されている。ただし、洗っただけで安心してしまうと油分がすべてなくなりサビサビになる。忘れず注油すること。

ディスクブレーキ(ディスクローター)
ローターと呼ばれる円盤状のプレートをキャリパーで挟み込んでブレーキとするメカニズム。キャリパー内のピストンを動かすのに油圧を使うタイプと従来通りワイヤーで引っ張る機械式がある。カンチブレーキよりも遙かに制動力が強く、雨、ドロなどの悪条件に強い。当初はDHバイクのために開発されたが、今ではほとんどのMTBに装着され、もはや標準となっている。

ディスクホイール
横から見ると円盤のように見えるホイールをディスクホイールという。スポークがないのでホイール回転時に空気の流れが乱されないことに加え、前面投影面積も非常に小さいので高い高速持続性を誇る。前輪に使うとちょっとした横風でもハンドルをとられることがあるのでロードレースのタイムトライアルでは主に後輪に使用する。ややこしいけどディスクブレーキ用ホイールとは違います。

ディレイラー
変速機のこと。クランク側につけられているものをフロントディレイラー、後ろタイヤ側につけられているものをリアディレイラーと呼ぶ。

テーパー
パーツやチューブがだんだんと細くなったり厚さが薄くなっていくこと。バデットと同義。

テーパースクエア
クランクとBBシャフトの勘合方式。四角いBBシャフトが外側に向かって微妙にテーパーで細くなっており、そこにクランクの四角い穴を入れて締め付ける。シマノのオクタリンク規格やISIS規格の登場によって少数派になりつつある。

ディオーレ
シマノのMTBコンポーネントのグレードのひとつ。中間よりちょっと下、上から数えるよりしたから数えた方が速いくらいのグレードであるにもかかわらず、ツウにも非常に評価が高い。特に油圧式ディスクブレーキは制動力、信頼性はもちろんタッチも絶妙。それでいて低価格と上級グレードやサードパーティーへの容赦が全くない下克上パーツ。自分も使ってます。ホント精巧にできてます。シマノさんはえらい。

デュアルコントロールレバー
一本のレバーでブレーキングと変速が可能になった手元変速装置のこと。シマノはSTIレバー、カンパニョーロはエルゴパワーという名称。このレバーの登場で、変速時に手をハンドルバーから離す必要がなくなったため、初心者でも安心してロードバイクを楽しめるようになった。MTBをベースとした我がFSCRへの応用もこれがあるからできる技である。ホント、シマノさんありがとう。

デュアルピボットブレーキ
ブレーキアーチの作動ポイント(ピボット)を2箇所(デュアル)にすることによって、従来のYアームとCアームを組み合わせたいわゆるシングルピボットブレーキの片効き(ブレーキアーチが左右均等に動かない)現象を防止するとともに、これまで以上のストッピングパワーを実現した。

デュラエース
シマノのロードバイクコンポーネントのトップモデルの名称。Durable(頑丈)とAce(1番)の組み合わせから考え出された造語。ラチェットを使った位置決め機構のSIS(Shimano Index System:シマノインデックスシステム)シフトレバー、手元変速の時代を開いたSTIレバー、デュアルピボットブレーキなど現在主流となっている技術はすべてデュラエースが先駆けとなっている。

電動アシスト
電気モーターの力でペダルを踏む力を助けてくれるシステム。モーターで自走してしまうと道路交通法上は原付き自転車になってしまうので、乗り手がペダルを踏まないかぎり、モーターは動かない。米袋など日々重い荷物を載せる主婦を中心に爆発的にヒット。

トータルキャパシティ
リアスプロケットの最大ギヤと最小ギヤとの歯数差とフロントチェーンホイールのアウターリングとインナーリング歯数差の合計。この範囲内であれば円滑な変速が保証される。

トップスウィングタイプ
フロントディレイラーの構造のひとつ。ディレイラーのガイドプレートより下側にピボットがあり、そこを中心に上へ動いて作動する。ダウンスウィングタイプと呼ぶ従来型よりも力がダイレクトに伝わるので変速性能が良いとされている。

トップルート
フロントディレイラー、リアディレイラー、リアブレーキのワイヤー類をトップチューブに添わせた形式。90年代初めにMTBに登場した形式で、ダウンチューブにワイヤーを這わせるダウンルートよりもドロ、水がかかりにくいので信頼性が高いとされる。3本のワイヤーが通るので「トップ3連」と呼ぶこともある。

ドライブトレイン
ディレイラー、クランク、スプロケット、コグ、チェーンなど自転車を前に進めるためのパーツの総称。いわゆる駆動系のこと。ドライブ系という場合も。

トラクション
タイヤの縦方向のグリップ力、もしくはタイヤを路面に押しつけようとする力や作業のこと。前者はタイヤのパターンやコンパウンドで、後者はサスペンションの作動や、ライダーの体重移動やペダリングのテクニックなどで生み出される。結果トラクションが高い(良い)とタイヤがスリップしにくくなるのだ。用例としては「このタイヤは登りでのトラクションが良い」「サスがトラクションをかけてくれる」など。

トラベル量
サスペンションの作動量やアクスルの移動量のこと。ストロークとほぼ同義。

トランスミッション
広義には駆動系、狭義ではディレイラーをを指す。クルマ用語のイメージがあるためか、実はあんまり使わない。

トルク
自転車的にはホイールをぐいっと回転させる力のこと。MTBで山の坂を登る時、ペダルを無造作に力いっぱい踏みすぎるとスリップしてしまう(トラクションが抜けるという)。そんな時、じわっとなおかつ力強くトラクションをかけるようにするのがライダーの腕(というか脚)の見せ所である。

トレイルライディング
自然の山の中の山道(トレイル)を走る最も基本にして究極のMTBの楽しみ方。ここからDHやXCといったレース形態が派生していったといっても過言ではない。当然人が山に入ることになるので、地域とのトラブルを起こさないようにするのが肝心。よって初めはショップのトレイルツアーなどで体験するのがベストのハズ。ちなみに本来フリーライディングと同義だが、日本ではフリーライディングの方が下りの要素が強い…ようなニュアンスがある。気のせいかもしれないけど。

トレッドパターン
ベタに言ってしまえば、タイヤの模様。路面に接する所(接地面=トレッド)にある溝、プロックなどのパターンを指す。ちょっと慣れてくるとパターンを見ておよそのブレーキ力、コーナーリング時のフィーリング、雨やドロでの性能などが読めてくるようになる。不思議とMTB用タイヤのことをブロックパターン、ブロックタイヤと言うMTB乗りは少ない。

ドロップバー
横から見ると進行方向に伸びて(この部分をリーチという)から地面に向けて(つまり下方にDrop(落下)している)湾曲している本来はロードバイク専用のハンドルのこと。メーカーやそのラインアップによってリーチやドロップの量やデザインが違うので、自分の使い方に合ったものがチョイスできる。また取り付け方次第で自分が握りやすい角度に微調整できる。長い自転車の歴史の中で作られたシンプルにして実に使い勝手のいいパーツ。いろんな部分をいろんな握り方ができるので、肩肘はらない快適ツーリングにはもってこいの道具である。決してロードバイクだけのものではないと思っているのは管理人の私だけだろうか…。

逃げ
レースにおいて、単独あるいは少人数で集団から抜け出してゴール目指して走ること。大集団で走るより空気抵抗が大幅に増すので必然的にスピードは上がりにくくなるし、疲労も大きくなる。それゆえ逃げ切って買った選手は大いに賞賛される。一般社会では卑怯者や根性なしがする行為として軽蔑される『逃げる』という行為も、ロードレースにおいては勇気がなければできないこととして認識されているのだ。

ニップル
スポークの先端に付ける筒状の小部品。スポークのテンション(張り)を調整するためにホイールを組むときに必須のパーツでブラスニップル(真鍮製)とアルミニップル(アルミ製)がある。前者は信頼性と強度が強く、後者は軽いが強度的には劣る。回転部分の軽量化はしたいものの、耐久性が落ちるのは…と悩むところ。語源は英語のニップル(Nipple)、乳頭こと。そういやカタチは似ているなー。

乳酸
血液中のブドウ糖を酸素を使わずに分解し筋力を発生させる運動領域で筋肉内に発生する疲労物質のこと。乳酸は筋肉内の成分を酸性化し硬直、麻痺させる働きをする。無酸素運動(ロードレースではスプリントなどのように、とにかく体中の力を一気にすべて使い切るような類の運動)をしたあと筋肉がいうことをきかなくなるのはこの乳酸が原因。

ノーマルヘッド
ステアリングコラム外径が1インチ(2.54p)のモノのこと。他にオーバーサイズ(1+1/8インチ)とエボリューションサイズ(別名フィッシャーサイズ、1+1/4インチ)がある。MTBは新規格ワンポイントファイブをのぞいてすべてオーバーサイズ、1インチ径と1+1/4インチ径は絶滅、ロードは1インチがメインだが、1+1/8インチに一部移行しつつある。すでにノーマルではないのに「ノーマル」サイズとはこれいかに?ということでもはや死語。アヘッドに対するねじ切り式ヘッドを指す場合もあるが、これもまた絶滅寸前のパーツである。

ノブ
タイヤのブロックの別称。「ノブが大きい」「ノブが高い」などと使う。

乗り味
スポーツバイクに乗りはじめて別の自転車を買う(もしくは乗る)とハタと実感する言葉。ペダルを踏んだ感覚、ハンドリング、加速感、剛性感、精度感、振動の様子など、ブランド、モデルが違えばフィーリングが全く違い、その違いこそが乗り味というワケ。乗り味が違うからこそたくさんのメーカー、たくさんのモデルがあるとも言える。

パーエンド
MTBなどのフラットなハンドルバーの先端に取り付けるツノのようなハンドル補助部品。登りでハンドルを押さえたり引きつけたりするときに上半身や腕の力を有効に活用できる。またハンドルの握る位置を変えることができるのでツーリングなどの時にもあると便利。一般にMTBといえば…というイメージがあり、初めてのユーザーが一番つけたがるアフターパーツ。アップハンドルや幅の広いハンドルに装着したり、バーが真上を向いたりしていているモノを見かけるが、ちょっとヘン。別名「エンドバー」ともいうが、詳しく言おうとすると「バーエンドバー」とちょっとヘン。

バースト
タイヤが破裂すること。勢いよく(音も良く)空気が抜けたり、岩やガラスなどの障害物でタイヤが裂けた時にパンクと区別して使われる。場合によってはタイヤサイドから臓物のようにチューブがはみ出すこともある。また、電動エアポンプで景気良く空気を入れ過ぎた場合、発砲されたごとき破裂音がするので特に注意されたし。こんな時はたいがいショップやガソリンスタンドの前なので衆目にさらされ非常に恥ずかしい。

バーテープ
ロードバイク(我がFSCR含む)のハンドルバーに巻くための帯状のひも。裏には粘着テープがついているものが多い。昔はコットン製のものが多かったが最近ではコルクを混入した合成素材のものが大半を占める。クッション性を持たせるために厚めになっているものや、手が滑りにくいように特殊加工したものなど種類は様々。またカラーバリエーションも実に豊富なのでバイクとのコーディネートも楽しめる。消耗品なので定期的に交換する必要がある。

ハードテイルバイク
フルサスペンションバイク(Wサスバイク)、ソフトテイルバイクに対する言葉。リアサスペンションがないフレームや自転車を指す。当たり前ながら衝撃は自分のテクニックで吸収しなければならない。よってフルサスバイクが一般化した現在ではハードテイルという言葉自体に腕(脚)自慢というかツウっぽい響きがあるのも事実。であるが私は興味ない。

バーム
土などで作った内側に傾斜したすり鉢状のカーブのこと。外に飛び出さないようにスピードを維持したままコーナーリングできるようにするための、いわゆる一つの「バンク」。しかしバンクとはMTB乗り、BMX乗りは決して言わない。バンクはどうしても競輪のイメージが強いためと英語ネイティブがBurmというためと考えられる。

ハイエンド
最高級もしくは最高級クラスのプロダクツのこと。「ハイエンドバイク」といえばそのジャンル、ブランドにおいて最も高価だったり最も高性能な自転車を意味する。ハイエンドなフレームにハイエンドなパーツでキメキメに組む場合、よほど気をつけないと「お大尽バイク」とか「成り金」とやっかみ半分に陰口を叩かれてしまう。類似の言葉としてメーカーの最高級品もしくはイメージを代表する商品を「フラッグシップ」とも言う。

バイオペース
本来理想的なペダリングには脚の運動に合わせた緩急が必要であるというコンセプトに基づいて、シマノが80年代に発表した非円形のチェーンリングの名称。この結果、人間の脚に無理のない、自然で効率のよいペダリング運動の実現に成功した。現在はラインナップからはずされている。

パヴェ
Pavéと書くフランス語で石畳のこと。その中には中世、もしくはそれ以前の時代に作られたような古いものがあるが、そうした石畳には大きな自然石が使われていることもあって、表面がでこぼこしていていてとても走りにくい。タイヤが細いロードバイクで走る時には特に注意する。我がFSCRはこのかぎりではないが。ちなみに舗装、歩道を意味する英語のPavementは、このPavéの派生語である。

ハスる
集団で走っている時に、前の人の後輪と自分の前輪のタイヤサイドがこすれあう感じで触れること。前を走っていた人が急ブレーキをかけたり、急に進路変更した時に起こりやすい。たいてい前輪をハスられた方がコケる。前輪をハスってしまった時は、ハスられた瞬間にはね返す方向に力を加えてやると生還する可能性が高まる。

パターン
とあるモノの表面に刻まれた模様のこと。「タイヤパターン」ならタイヤの表面、「グリップのパターン」となればハンドルグリップの模様である。

バックスイープ
MTB用アップハンドルにつけられた角度の一つ。真上から見た時の握りの部分が斜め後ろに下がっている角度で一般的に「絞り」と言われているのがコレ。この角度が強いと腕を絞り込むようになるが、全くゼロ、というのはほとんどあり得ない。ハンドルバーをやや手前めにしたり奥めにしたりという微調整ができるのは、これとアップスイープの二つがある三次元形状だからである。

バッシュガード
チェーンリングを障害物にブツけて破損しないようにするリング状の部品。アウターリングの代わりに取り付けることでミドル、インナーリングが折れないようになる。ノースショアライディングではログや岩を乗り越える時にアウターがヒットし、トラブルが多いため考案されたとされる。

パッチ
タイヤのパンクを修理する時の接着剤付きのゴム片のこと。チューブの汚れを取ってしっかり付けないとあっさり空気漏れするのだが、パンク時は慌てていることが多いのでなかなか大変。

バテッド
フレームチューブの肉厚を変化させていること。強度に必要な両側は厚く、中央部分は薄くすることで、軽さと強度を両立させるのが目的。肉厚が厚い→薄いの2種類(肉厚の変化が一段)だとダブルバテッド、厚い→中間→薄いの3種類(肉厚の変化が二段)だとトリプルバテッドと呼ぶ。また、内径は同じで外側に向けて広げているモノをアウトバテッドという場合もある。パイプのどこからバテッドさせるかで、剛性感、しなり感などが大きく変わる。乗り味の違いを生む要素のひとつ。

ハブ(ハブダイナモ、ハブボディ)
ホイールの中心部分にある円柱形のパーツのこと。ホイールの回転と支えを受け持つ。円柱部分のハブボディ、車軸のアクスル、アクスルを支え、スムーズに回転させるベアリングが大まかな構成要素。ダイナモをハブ(ほとんどフロントハブ)に内蔵したものをハブダイナモといい、タイヤサイドで回転させる通常のダイナモより効率が良い(=回転が軽い)のでオススメ。

ハムストリングス
大腿部後ろの筋肉群の総称。疲労しにくい筋肉とされ、ペダリング時に大きな働きを担う。ただ踏み込むだけのペダリングだけでは発達しない部分なので、ハムストリングスの発達具合を見れば、その人のペダリングスキルのレベルがわかってしまう。

バルブ(バルブキャップ、バルブ口)
空気入れの受けとなる小部品。中に弁が付いていて一度入れた空気が逆流しないようになっている。クルマと同じ米式(シュレーダー)バルブはDHバイクなどMTBに、軽く、圧力調整がしやすい仏式(フレンチ)バルブはロードバイクやMTBでもXC用などに使用される。ママチャリのバルブは英式(ウッズ)と呼ばれるタイプ。ダート走行が出来ない「ルック車」の見分け方の一つが英式バルブ。サスペンションの減衰力を発生させる内部構造(リーフバルブ、シムバルブ)を指す場合もある。

ハロゲン
ハロゲンとは元素周期律表で第七番B族に属する元素の総称で、フッ素、塩素、ヨウ素などがその代表だ。これら活性元素を充填してフィラメントの素材であるタングステンの黒化現象を抑制し、それまでのランプより飛躍的に寿命が延びたのがハロゲンランプだ。最近は、ランプ内のキセノンとヨウ化物を放出する両極に高電圧パルスを発光させるキセノンランプがクルマ用ランプの主流になりつつある。

ハンガーノック
肉体が運動を行う場合、体内に蓄積された炭水化物(糖質)をグリコーゲンに変換し、エネルギー源として活用するわけだが、体内のグリコーゲン量には限りがあり、2時間程度で枯渇してしまうという。そのため、ある強度の運動を長時間続けるには、途中でエネルギーを補給してやる必要が出てくる。この補給を怠りグリコーゲンが完全になくなり、低血糖状態になって身体が動かなくなることをハンガーノックという。

パンタグラフ(式)
電車マニアがピクリとしそうな言葉だが、クモハ34とか2000系車両とは関係ない。パンタグラフとはリアディレイラーを構成している2枚の板を指す。『デュラエース』とかマークが入っているアソコだ。英語で写図器を意味するPantographからきている。ディレイラーの平行移動が写図器の動くさまを連想させたのだろう。つまりパンタグラフ式とはパンタグラフのように動く部位を持ったリアディレイラーのこと。

ハンドルクランプ
ステムの前端、ハンドルを固定するフタの部分。アヘッドステムの多くはハンドル交換が簡単に出来るように前側が複数のボルトで外せるようになっているため使われる。

ハンドルバー
ズバリ、自転車の行く末を決定する一本の棒。ロード、MTB、BMXなどで多種多様な形状がある。操作性に重要な役割を持つので、こだわりたいパーツの一つ。

反力
ペダリングした時にボトムブラケット付近から感じられるフレームが脚にはね返ってくるような感覚のこと。実際目で見てわかるほど反発するわけではないが、、踏み込む時に脚が重く感じられることを指して使われる言葉。脚力のない人が硬いフレームに乗った時は特にはっきりと感じることができる。逆にパワーのある人が柔らかいフレームに乗ると、パワーに負けてフレームがたわんでしまうので今度は「しなり」を感じることになる。

BMX
20インチホイールを有するスポーツ自転車の一種で、「ビーエムエックス」と発音。ダートコースで競うBMXレースと、ジャンプしたり飛び越えたり回ったり滑ったりするフリースタイルがある。フリースタイルはさらに細かくジャンル分けされ、自分が本当は何をやりたいのかを見つけ出すことが第1段階と言える。支持層は圧倒的に若者が多いが、レースの世界では子持ちのオヤジ達が火花を散らす暑苦しい戦いも盛り上がっている。

Bテンションアジャスター
リアデイレイラーについている調整用のネジの一つで、テンションを変えることでスプロケットとガイドプーリーの距離を調整する。クランクを逆回ししたときにチェーンが詰まらないように調整する。

ピード
リムに接するタイヤのへりのこと。走っている最中にタイヤがリムから脱落しないように位置決めをしたり、タイヤの形状を保持する役割を持つ。ビードのカタチを維持するために使われる素材によって鋼線を使った「ワイヤービード」とケブラーを使った「ケブラービード」があり、前者は形状保持性能が高く、後者は折り畳みが可能となる。ちなみにビードとリムが密着することで空気漏れを防ぐチューブレスタイヤではリムとビードが密着することを「ビードが上がる」という。

引き脚
ペダリング後半、脚が下死点(クランクが1番地面に近づくポイント)以降にさしかかった時に、脚を引き上げてやるように力を加えること。「靴底についた泥を掻き落とすように力を加える」などと表現する本もある。ただ踏み込むばかりでなく引き脚を使ってやることでペダリング中つねに力がかかることになり走行効率が高まる。ただし日常生活ではまず行わない筋肉の働かせ方なので、習得するには相当の時間と訓練が必要になる。

ピッチング
縦方向の車体の動き。フルサスペンションバイクでブレーキをかけると前にすーっと沈み込み、ブレーキを離したり、漕いだりすると元に戻り、コーナー出口で前が伸びて後ろが沈むこと。あまりに顕著だと不安定でハンドリングも定まらないが、上級者では積極的にピッチングを活用できる。基本的にはシーソー運動のイメージなので、前後サスペンションのスプリング、伸び縮み両方の減衰力のバランスがキモ。

ピボット
サスペンションリンクの動きの中心のこと。多くの場合はスチールやアルミの軸で出来ており、ベアリングでスムーズに回転するようになっている。ピボッドと濁るのではなくピボットね。

平ペダル(フラットペダル)
踏み面が大きい、非ビンディングペダルのこと。別名「デカペ」(デカいペダルの略)。アルミやマグネシウムの塊で出来たプラットフォームタイプと呼ばれるものを指すケースが多い。面積が大きいので踏み外すことが少なく、またビンディングペダルのように固定されていないので、走行中に足を出しやすい。BMX、DH、FR、ダートジャンプなどで使われるが、レースではペダリング効率の良いビンディングタイプが主流。そのため、フラットペダルでレースに常勝してしまうプロライダーは「デカペ王」との称号(?)を頂くことができる。

ヒルクライム
坂を上ることを指す。ヒルクライムが楽しめるようになれば真の自転車好きになった証といえる。また本格的なロードレースは他人と競り合うことが基本であるため実力差がはっきり出るうえ、集団走行をこなすためある程度技量が要求されるせいか、最近はタイムトライアル形式で行われることが多いヒルクライムレースに人気が集まる傾向がある。マラソンのように自分のペースで走れることが人気の秘密のようだ。

ビンディング
靴底とペダルを固定する機構。スキーのビンディングと考え方は同じで、転ぶと外れるようになっている。ちなみにシマノのSPDは機構をアレンジしてスノーボード用に使われている。

フィキシングボルト
クランクの中心にあるボルト。BBシャフトとクランクを固定するためにある。案外緩みやすいボルトでペダルを漕いでいる最中にキチキチ…という音がしたら、まずフィキシングボルトの緩みを疑ってみるべき。

フィクスドギア
トラックレーサーのことを指す言葉。リアホイールにフリーホイールがなく、ギアが固定(フィクスド:Fixed)されているところから生まれた名称。メッセンジャーに代表されるストリート系バイク乗りたちはこの言葉を使う傾向かけある。日本語で『固定』とか『踏み切り』などと呼ぶ輩もいる。フィクスドギアにブレーキをつけて街乗りに使っている人もいるが、脚が止められないため、乗りこなすにはかなりの技術が必要になる。

フィッシャーサイズ(エボリューションサイズ)
ステアリングコラム径が1+1/4インチの規格のこと。フロントサスペンションが普及し始めた1990年代初頭、ねじ切りヘッドで強度を確保するためにゲーリー・フィッシャーが提唱。しかし、数年であっさり絶滅。当時のストローク量ではそこまで強度を必要としなかったことや、アヘッドがオーバーサイズ主流で普及したことなどが絶滅の理由と言われている。「エボリューションサイズ」ともいう。

Vブレーキ
カンチブレーキをアレンジしたワイヤー引きのブレーキ。本来はシマノ社の名称。一般的にはVブレーキタイプ、もしくはロングカンチと称するのが正しいのだが、Vブレーキで通じる。カンチブレーキから変わった登場当初は「効きすぎて慣れるまでアブない」とまでいわれた。が、数倍効きもコントロール性も良いディスクブレーキが当たり前となった今となっては、微笑ましい話でもある。

プーリー
ディレイラーについている自由に回転する小型のスプロケットのこと。リアディレイラーの1番下をテンションプーリー、上をガイドプーリーという。ある程度のクラスになると、この2つのプーリーは、その役割の違いから、一方は取り付けに遊びを持たせてあるのだが、さて、どちらでしょう?

フェイスカッター
ヘッドセットに接するヘッドチューブ、BBシェルの切り口をネジに垂直に整える(フェイシング)ための特殊工具。この二つの部分は自転車にとって非常に重要で、もしここに塗料などを挟み込むと緩みや精度の悪化に繋がる。一般ユーザーがこの工具を買ってもコストパフォーマンス、作業の慣れなどの観点からメリットは全くない。プロショップにお願いするべき部分といえる。

フェンダー
いわゆるドロよけのこと。ママチャリやツーリング車のタイヤの半周を覆う金属製タイプとMTB用のレキザン樹脂(ポリカーボネイト)を使ったモトクロス風のスタイリッシュなタイプがある。MTBでは雨が降らなくとも路面が濡れていたりドロが湿っている場合も多いのでトレイル走行では用意しておいた方が良いケースも多い。コレさえあれば雨の日でも楽しく走れるという画期的効果もある…ワケないっての。

フォークブレード
フロントフォークの脚の部分を指す。このブレードの曲げ方の数値や使用素材で走行性が大きく変わってくる。また曲げ方そのものにも先曲げ、刀剣型などいろいろある。もっとも最近は既製のカーボンフォークばかりなので、昔ほどフォークの味付けには凝れなくなっている。

フォールディング
折り畳み可能なこと。いわゆる折り畳み自転車のことはフォールディングバイクと呼ぶ。もっとも買って数回は折り畳んでいたが、あとはそのまま使っている…なんてユーザーがほとんど。実際に毎回折り畳むヒトは少なかったりする。

ブッシュ
回転もしくは躍動(前後、左右など一方向に滑りながら動くこと)部分に使われる小部品。多くは銅や樹脂などの柔らかい物質に滑りを良くするテフロンなどを塗り付けた円柱状である。サスペンションフォークのアウターとインナーの間やサスペンションピボットに使われる。後者の場合、現在ではほとんどベアリング支持となっておりあまり見かけない。

ブラケット
Bracket:腕木、受け。パーツを取り付けるときに使う仲介物のこと。レバーブラケット、メーターブラケット、ボトムブラケットなど。

フラッグシップ
ブランド、メーカーを代表するプロダクツのこと。最高級品、最上機種とほぼ同義。語源は海軍で司令官が乗るいちばんエラい艦を旗艦(Flagship)と呼ぶことから。

プラットフォーム
ペダルの上下が平らなタイプのこと。平ペダルと同義。フラットランド用のBMXのトップチューブ部分の足を載せやすいように平らになっている部分を指す場合もある。

フラットランド
BMXのジャンルのひとつ。平らなアスファルトで、ワザを競うことからフラットランドと呼び、どこでもできるメリットもある。現在日本人ライダーのレベルは世界有数である。回転したり、一輪だけで走ったりと、普通の自転車にあるまじき動きを見せる。ヒトとどれだけ違うワザ、ワザとワザのつながりができるかがポイント。そのため、バイクにブレーキがなかったり、クランクがなかったりという剛の者もいたりする。パーツを外してしまった理由は「ワザに邪魔だから」と容赦ない。

フランジ
あるパーツのフチにあるでっぱりのこと。ベアリングの外側などにもあるが、普通はスポークを取り付けるハブのフチの部分をいう。フランジが大きいタイプを「ラージフランジ」と呼び、ピスト競技用ハブなどで見ることができる。スポークを短くできるので、剛性と耐久性が上がる。現在のところ自分は、700cのホイールをディスクブレーキで制動させているので、スポークへのストレスが大きいと思い、ハブはラージフランジのXT、リムハイトの高いCXP33、スポーク数も32本としている。

フリースタイル
自転車用語としてはBMXのレース以外のダートジャンプ、バート、パーク、ストリート、フラットランドを指す。が、最近はあまり聞かなくなりつつある言葉。

フリーホイール(フリーボディ)
リアハブとカセットスプロケットの間にある、ワンウェイ(一方通行)のメカニズム。自転車にこれが付いた当時は革命的なことだった(らしい)。ペダルを止めても自転車が前に進むのはこのフリーホイールがあるから。空走させる時のカチカチカチ…という音は逆回転防止のツメから発生している。

フリーライド
誰に強制されるでもなく、楽しみのためにMTBで走ること。狭義では自然の山道を走るトレイルライディングを指すが、広義ではレースや仕事ではなく遊びとしてMTBで走ること全般と考えてもいいかも。

フリクション
摩擦抵抗のこと。モノとモノがこすれ合いつつ動くところで、発生する。サスペンションやホイールなどで、動こう(動かそう)として力を入れても、初めは動かず、もっと力を入れると急にカクッと動く時はフリクションが大きいということ。当然スムーズに動かずロスとなる。「動きがシブい」と言われた場合はフリクションが多いという意味。原因は加工精度、組み付け精度(ネジのトルク管理など)、オイル・グリスなどの潤滑不足などが考えられる。

プリロード
スプリングにあらかじめかけておく負荷のこと。サグを適正にするのが目的。リアサスペンションではスプリングを留めているリングを時計周りに回すとプリロードがかかり、サグが減る。プリロードはリング1回転で1mm縮むということは覚えておきたい。ちなみにプリロードをかけてもスプリングは硬くならないので注意。

フルアウタータイプ
ブレーキワイヤー、シフトワイヤーを最初から最後までアウターチューブで覆う取り付け方法。通常のようにフレーム途中でインナーワイヤーが露出することがないので、ドロ、雨などに強く信頼性が高い。しかし一方で全ての箇所でアウターとインナーが擦れるのでレバーの引きが重くなったりする場合もあり、取り回しなど組み付けに工夫が必要。MTBでは主流になりつつある。

フルード
MTBの油圧ブレーキ用の作動液のこと。一般に「ブレーキオイル」と呼ばれるが、DOT系と呼ばれる多くのブレーキ液はアルコール(の一種)が主成分の液体のため、「オイル」ではなくフルードと呼ぶ方が正しい。ただしシマノ、マグラは本当にミネラルオイル(鉱物油)を使用しているため、ブレーキオイルである。

フルカンパ
要するにカンパニョーロだけで組まれた自転車のこと。この場合レコードで組まれたものを指すことがほとんど。オールコーラスとかオールケンタウルをフルカンパとイバるのはあまり見かけない。「どうだ!あのカンパニョーロの最高峰コンポで組んだんだぞ!金持ってんだぞ!すごいだろ〜!」という自慢の裏返し。この際フレームもデローザとかチネリだとさらにイバることができた。カンパが驚くほど高かった昔によく聞かれた言葉。

フルサスバイク(フルサスペンションバイク)
フルサスペンションバイクの略。前後にサスペンションを持つMTBのこと。本編ではフルサスペンションツアラーを明確にこれらとは別のモノとして位置付けている。MTB以外のスポーツバイクがフルサス仕様でないのが不思議である。こんなに快適なのに。

フルフェイスヘルメット
アゴまで覆うタイプのヘルメットのこと。モトクロス用を流用することも可能だが、軽さも重要(転倒時の慣性が少なく、脳へのダメージが少ない)なので自転車用がベター。DHや4X、BMXレースではこれが普通。もちろん安全性が段違いに高いのはもちろんだが、半ヘルよりカッコいいから、というのもリッパな理由のひとつ。

ブルベ
600kmとか1200kmという超長距離を定められた時間内に走るサイクリングイベント。とはいえトップクラスの選手はとてつもなく強い。レース中は1日2〜3時間睡眠で走り続け野宿も当たり前という、サイクリングというよりサバイバルのようなイベント。所定のイベントを走りきるとブルベ(Brevet:フランス語で免状、修了認定証)が与えられる。1200kmあまりを走りきるパリ〜ブレスト〜パリがもっとも有名。

フルボトム
サスペンションが完全に沈み込んでしまうこと。日本語では「底着き」。そこから先はサスペンションが作動しない=衝撃を吸収してくれないので、頻繁にフルボトムさせないようにサスペンションを調整する必要がある。だからといって全くボトムしないセッティングではサスペンションのストロークを有効活用したとはいえないところが、難しい部分でもある。

ブレーキアーチ
サイドプルブレーキやVブレーキのパッドを押さえつける役割を持つ部品のこと。

ブレーキクリーナー
ブレーキ関連、特にディスクブレーキ本体やローターを洗浄、脱脂するためのケミカルのこと。ディスクブレーキのローターに油分などの汚れが付くとVブレーキ、カンチブレーキ以上に影響が大きいので、全く効かなくなることがある。なお、ブレーキクリーナーであってもパッドにはなるべく付けない方が無難。

ブレーキシュー
Vブレーキ、カンチブレーキ、Uブレーキなどの制動力を生み出す摩擦材。リムに押さえつけられて、擦られて、すり減っていく。自らを犠牲にして役割を果たすケナゲな部品である。

ブレーキ台座
ブレーキを取り付けるためのネジ穴などのこと。Vブレーキとカンチブレーキは同じだが、BMXのUブレーキはアクスルからの距離が違うのでそこにVブレーキなどは取り付けられない。また、ディスクブレーキ用の台座はエンド付近にある。

ブレーキパッド
ディスクブレーキの摩擦材のこと。Vブレーキやカンチブレーキはなぜか「シュー」というのがお約束。

ブレーキブースター
ブレーキに追加する馬蹄型のパーツのこと。Vブレーキ、カンチブレーキではシューがリムに付いてからさらに強く押さえつけると台座のついたシートステーの方が反力で開いてしまうことがある。こうなるとブレーキの効きが悪く、タッチもグニャグニャに感じるので、開きを防止するためにブースターを取り付ける。なお、台座の剛性が上がって振動しにくくなるためブレーキの鳴きが収まるという裏ドラもある。

ブレーキレバー
ブレーキを作動させるためのレバーのこと。レバーにかける指の数によってワンフィンガータイプ、ツーフィンガータイプ(MTBの主流)、4フィンガータイプ(タウンサイクルなど)とデザインが変わる。水割りみたいだなー、と思ったヒトは飲みすぎです。

ブレーキワイヤー
ブレーキを作動させるためのワイヤーのこと。スポーツ車では、一般的に、ブレーキワイヤーの方が、シフトワイヤーより太くなっている。

ブレーキング
ブレーキをかけること。

フレーム
自転車の車体本体のこと。フォーク(およびシートポスト、シートピンなどはついている場合もあるが)やディレイラー、サドル、ハンドルなど周辺パーツを除いたパイプで構成された部分のみを指す。「フレームオンリー」「フレーム売り」という表示はフレーム単体販売のこと。初めてスポーツバイクを買うヒトが必ずビックリする売り方である。

フレックス
いわゆる「しなり」の英語表記。フレームだけでなく、ハンドルバーなどでも柔らかいと「フレックスがある」などと言う。しなりの方が日本では一般的。

振れ取り台
ホイールが真円で真っすぐになるように調整する専用作業台。乗っているうちにホイールはだんだんと歪んできて、アクスルから見て回転中心がずれたり(縦振れ)、リムの左右が波打つようになったり(横振れ)する。それをスポークの引っ張り力(テンション)を調整することで元に戻すのだ。慣れと経験が必要なので、プロにお任せした方がいい作業の一つ。アマチュアがやるとかえってとっちらかるケースがほとんど。

フローティング
直訳すれば浮かせた状態、転じてパーツなどを直接固定せずになんらかの機構を介して固定してあること。自転車の場合はフローティングディスクマウントを指す場合が多い。これはブレーキをかけた時の力の影響でリアサスペンションが伸び上がったり沈み込んだりと作動を制限されてしまうのを防ぐ機構。一部DHバイクに取り付けられているが、好みもありMTBでの効果は賛否両論である。

プログレッシブ
あるものが作動すると、作動に従いだんだんと効果が変化していくさま。日本語では漸次効果という。サスペンションでよく使う用語でボトミング付近でバネレートや減衰力を上げてフルボトムしにくいような特性のことを指す。多くの場合はリンクを介してこの効果を得る(プログレッシブリンク)。プログレッシブであればいいというのではなく、実はどう変化していくかがキモで、曲解されがちな用語の一つ。対になる言葉として、一定の割合で変化することを「リニア」という。

プロスペック
プロの使用に耐えうる品質を持ったプロダクツ、もしくはプロ専用の特別なプロダクツのこと。特に定義はなく、カタログなどで個別のジャンルとなっているワケではないが、軽く、剛性が高く、強度があり信頼性に富む。当然ながら高価なのは仕方ナシ。

ブロック
MTBタイヤの凸凹の部分のこと。四角いカタチであれば「キャラメルブロック」といい、他にも平行四辺形や三角形、ひし型などメーカー、モデルによって個性が非常に表れる部分である。

プロテクター
防具のこと。ヘルメット、グローブ、ニーガード(ひじ)、シンガード(すね)、ボディプロテクター(全身)などを指す。ロード、MTB、BMXを問わず、スポーツである以上、ケガや場合によっては死につながることをキモに命じて準備しておきたい。転んだ時だけでなく、プロテクターは「ケガをするのでは…」という余計な心配から身体が固まるのを防ぐこともでき、ミスも減る、と心理面での効果もあったりする。ちなみにロード用のカスクは「プロテクター」としての機能は全く無く、気休めにもならない(マジ)。

プロトタイプ
ひな型、転じて試作品のこと。自転車用語で最も誤解されている用語の一つ。我々一般ユーザーの目には非常にカッコよろしく、飛びっきり高性能に映る魅力的な言葉。プロトタイプ=高性能品と思われているが、しかしあくまでそれは試作で、実際使ってみると壊れたり、使いにくかったりと設計で思いが至らない部分が多く出てくるもの。それをプロに使ってもらい、ダメ出しするためのモノである。ある意味、ブッ壊れるのがプロトタイプの役割といえるかも。こうして信頼性、性能など完成度を上げて晴れて市販品となるので市販品の方が総合性能は上である。性能を突き詰めて特別に作られたモノは「スペシャル」(特別品)、「ワンオフ」(一点モノ)、「カスタム」と呼ぶのが正しい。本編で、我がFSCRに加工して取り付けてあるフロントディレイラーは「ハンドメイド」ってとこかな。プロトタイプが高性能なのはガンダムの世界だけなのだ〜。

プロフィット
カンパニョーロのオリジナルペダルの名称。コンパクトボディで軽量なのが特徴。最高グレードのレコード用プロフィットは、ペダルシャフトがチタン製となっている。また同社製サイクルメーター・エルゴブレインのペダルケイデンスセンサー用のマグネットが右ペダルシャフトに埋め込まれている親切設計が自慢。カンパニョーロは自社製品にカーボンやチタンなど高価だが軽量な新素材を積極的に導入している。なお、プロフェットはキャノンデール製片持ちフロントサスペンションのついたMTBの名称。

フロントディレイラー
チェーンホイール側についている変速機のこと。ロード用はインナー、アウターの2枚(3枚仕様もある)、MTBはインナー、ミドル、アウターの3枚のギヤを変速する必要があるため、両者のフロントディレイラーに互換性はない(…と、いいつつ、本編では互換させてしまっているが)。フロントディレイラーはリヤほどの労働量はないが、チェーン落ち(インナーギヤの内側もしくはアウターギヤの外側にチェーンが脱線してしまうこと)などの変速トラブルが起きやすいのでしっかり調整しておく必要がある。ホントに(実感)。

フロントフォーク
前輪を支持する脚のこと。Front(前部にある)Fork(また状のモノ)。針路維持、変更の役割を担う重要な構成物。特にロードバイクでは、フロントフォークの性格がバイクの性能を決定すると言っても過言ではない。フランス語ではForcella(フォルセーラ)。

ベアリング
二つ以上のパーツが組み合わさっている部分でそこが回転する構造になっている場合、摩擦抵抗を減少させるために装着される部品。通常は複数の小さいボールをレース上で転がす仕組みのボールベアリングが使われることが多い。また、より負荷がかかる部分には、ボールの代わりに円柱、円錐形のベアリングが使われているニードルベアリングが採用されることがある。

ペグ
ペグ(peg)とは英語でくぎ、くいのことを指す。インフレーター(携帯式空気入れ)などをフレームに取り付けるために使われる、ポンプペグと呼ばれる突起状の部位などを意味するほか、フラット系BMX(ジャンプしたりウイリーしたり前輪でクルクル回ったりその他いろいろする種目)のフロント&リアアクスルについている足を載せるための棒を指すこともある。

ペダリングスキル
Skill(技術、技能)という英語が入っていることからもわかるように、ペダリングの上手さを表現する時に用いる言葉。昔はアンクリングといって、足首を動かすペダリングが良いとされていたが、最近は足首の角度を一定にしたままのペダリングをよしとする傾向がある。

ペダル
足を載せて力を加えるための部品。これがなければ、たとえ100万円する自転車でも走らない。スポーツバイクには足をペダル上で固定できるビンディングペダルが使われる。ルック、タイム、SPD、SPD-SL、プロフィットなどが有名どころ。足が固定されると初心者には不安に感じられるが、慣れてくると逆に固定されていない方が恐ろしくなるから不思議だ。自転車を分解して運搬するとき(輪行)、持って行くのを忘れる最右翼のパーツでもある。

ペダルレンチ
ペダルをクランクに取り付けるための工具。単なる15oのレンチなのだが、ペダルとクランクの間は狭いので、通常のモノより薄くなっている。最近はペダルシャフト先端のアーレンキー用ネジ穴を利用して取り付けるペダルも増えている。この方がペダル〜クランク間の距離をより狭く設計できるからだ。

ヘッドチューブ
フレームのフロントフォークが挿入されるチューブのこと。

ヘッドパーツ
フロントフォークをフレームに取り付けるためのパーツ。フロントフォークが回転方向に動けるようにベアリングが入っている。自転車のスムーズなハンドリングを維持するために定期的なメンテナンスが要求されるパーツ。特にフレーム下側のヘッドパーツは走行時にごみや水分が進入しやすいので注意が必要。最近はインテグラルヘッド式のものが多い。

ベルトドライブ
チェーンの代わりにケブラーなどの特殊繊維で作られたベルトを使って動力を伝達する仕組みのこと。チェーンのように定期的に注油する必要もなく、静粛性も高いので、一般車によく使われる。

ホイール
動力を路面に伝える円形の部品。車輪。人力を路面に伝え自転車を前進させるための唯一のインターフェイスだけに、走行性能にもっとも影響を与えるパーツ。ホイール自体の軽量化は、フレームその他の軽量化よりも走りに大きな変化を与える。特に外周部の軽量化は慣性の減少につながるためより少ない力でホイールが回転することになり、結果的に速く走れるようになる。ただやたらな軽量化はホイール剛性の低下をまねき逆効果に。

ホイールベース
前後のホイールの中心から中心までの距離のこと。これが長いと安定的なハンドリングに、短いとクイックになる傾向がある。

ポジション
『ライディングポジション』のように乗車姿勢を指すことが多い言葉。例:「あいつはポジションが悪いからすぐ疲れるんだ」など。また時には単独でレース中の彼我の位置について説明する時にも使われる。例:「集団内でのポジションの取り方によってはスプリントで勝つこともできるぞ」など。

ポストマウント
マニトウ独自のディスクブレーキキャリパーのマウント(取り付け)方法のこと。一般にインターナショナルスタンダード規格と呼ばれるキャリパーのマウント方法だと進行方向に直角にキャリパー取り付けボルトを通すようになっているが、ポストマウントの場合、進行方向と平行にキャリパー取り付けボルトが設定してある。オートバイのブレーキでも最近見られるようになってきたラジアルマウントと同じ取り付け方法。

ホッピング
自転車の基本技で前後輪を平行なまま上に飛び跳ねること。マウンテンバイクやBMX、トライアルはもちろん、ロードでも障害物を越える時などに使われる。

歩道
歩行者のための道。軽車両に分類される自転車は車道の左端を走ることが法律で義務づけられているにもかかわらず、歩道を走っている自転車は非常に多い。厳密には違反である。ただし自転車の通行が許可されている歩道はその限りではない。その際は歩行者を優先して走るのは言うまでもない。後ろから歩行者をベルで追い散らしながら走るのは言語道断。

ボトムケース
フロントフォークは太さの違う2本の筒が摺動することで作動しているが、その2本の筒でもフォーク下部に位置するもののことをボトムケースという。この部分が上下することでサスペンション機能が発揮される。

ボトムブラケット(BB)
クランクが取り付けられるシャフトをベアリングで支持しているパーツのこと。フレーム下部(ボトム)にあるクランク受け(ブラケット)。ペダリングによる大きな力を受けるボトムブラケットシャフトは通常スチール製だが、軽量パーツの中にはチタン製のものも見受けられる。

BBシェル
フレーム下部のボトムブラケットが入る部分のこと。BBハンガーともいう。

BBハイト
地面からBB中心までの距離のこと。この高さによってペダリング時の踏み出しの味付けが変わってくる。『ハンガー下がり』や『BBドロップ』も同義語だが、この場合は、前後のハブシャフトをつないだ線からBB中心までの垂直の距離を測って出した数値を指す。

BBマウントタイプ
シマノ独自のフロントディレイラー取り付け方法のことで、通常フロントディレイラーはシートチューブに直付け台座やバンドを使って取り付けられるが、BBマウントタイプのフロントディレイラーの場合は、BB部に取り付けるブラケットを介してフロントディレイラーが取り付けられる。フレームによってはBBマウントタイプのディレイラーが使えないこともあるので注意が必要。

ボトムルート
前後ディレイラーを動かすワイヤーがBBシェル下を通っていることを意味する。ロードバイクはほぼ100%このボトムルート式。

ボトルケージ
ボトルを収納するカゴ。ダウン&シートチューブにこのケージを取り付けるためのボルト穴があることが多い。また、サドル後部やハンドル前部にボトルケージを取り付けるためのブラケットもある。水分補給には絶対欠かせない小物だけに、見てくれのカッコよさや軽さで選ぶのではなく、確実にボトルを出し入れできるものを選びたい。

ポリッシュ
Polish:磨く、とぐ、つやを出すという英語。素材自体に意匠性が高いアルミ&チタンフレームの表面処理の一種で、塗装の代わりにフレーム表面を磨き上げることを指す。昔は大流行りした処理だが、最近はあまり見かけない。それだけアルミやチタンが一般的になってきたということか。同様にクランクなど諸パーツにも施されることがある。

ホルストリンク
ホルスト・ライトナー氏が考案したMTB用リアサスペンションのリンクシステム。チェーンステーのリアアクスル近くに設けられたピボットがそれ。ここにピボットがあることで、リアアクスルの軌跡をコントロールできる。当時アンプリサーチ社のアンプB3に採用され、その後スペシャライズド社がパテントを購入。他社製品のホルストリンク搭載サスペンションにはスペシャライズド社のステッカーが張られている。4バーリンケージの定義の一つがコレ。

ボルト
パーツをフレームに取り付けたり、パーツ同士を結合するために使うもの。ネジ、ビスも同義語。通常はスチール製だが、軽量パーツとしてアルミやチタン製のものも出回っている。ただしこれらの素材で作られたボルトは強度自体はスチールに劣るので、大きなストレスがかかる部分には使わない方が無難。実際スチールボルトをアルミやチタンに置き換えたところで軽量化には大して効果がない。

ポンツーン
Pontoon:はしけ、フロートなどを意味する英語で、クルマのフォーミュラカーのボディの両サイドの部分をサイドポンツーンと言うように、一般的にはなにかの両側にある箱状のものを指す時に用いられる言葉だが、自転車用語としてはシマノのロード用SPDクリートの両サイドについている、歩行時に接触するゴム製バンパーを指すことが多い。

ポンプ
要するに空気入れのことだが、自転車用語としては特にフロア(据え置き型)ポンプや、エア加圧式のサスペンションの空気圧の調整に使うサスポンプなどを指す場合が多い。タイヤ、サスペンションなどのエア圧の管理は走行性に大きく影響してくるだけに、しっかりしたポンプを使いたい。

マイヨ・アルカンシェル
毎年シーズン終盤に行われる世界選手権で優勝した選手が着ることができる白地のジャージの胸に七色のラインをあしらったジャージのこと。翌年の世界選手権まで一年間着続けることができる。アルカンシェルとはArc-en-ciel:空にかかる橋つまり虹のことを意味するフランス語。実は、日本でもJ-POPバンド“ラルクアンシェル”でおなじみ言葉なのだ。英語ではレインボージャージと呼ぶ。

マイヨ・オロ
ブエルタ・ア・エスパーニャで総合成績トップの選手が着るジャージ。日本語で金色のジャージという意味。

マイヨ・ジョーヌ
ツール・ド・フランスで総合成績トップの選手が着るジャージ。日本語で黄色いジャージという意味。集団の中で総合1位の選手が識別しにくいという理由で1919年から登場した。レースの主催者だったスポーツ新聞のレキップ紙が黄色い紙を使っていたところから黄色が選ばれた。

マウンテンクロス
ジャンプとバームで構成された下りのコースを4人のライダーが一斉に走るMTBレース形式。アメリカのトップライダー、エリック・カーターが発案し、2001年のシーオッタークラシックより行われている。飛び、曲がり、抜きつ抜かれつというライダーの超絶ナイスなテクニックと今ドキの高性能MTBのダイナミズムを凝縮し、見どころタップリ。ワールドカップの競技の4クロスはこれを模したほぼ同様のフォーマット。

まくる
競輪でバンクの傾斜などを使って大外から一気に敵を抜き去ること。広い意味では後ろからダイナミックに前にいる選手を追い抜く時にも使われるようだ。でも、「チッポリーニまくりに出た〜」なんて使うことはない。ヨーロッパプロロードにはなんとなくそぐわない言葉。競艇情報雑誌に“マクール”というのがある。“ノドヌール”並みにひねりがなくていいネーミングだ。

マスターシリンダー
油圧式ディスクブレーキ用ブレーキレバーのレバー付近についている円形もしくは角型のブレーキオイル溜まりのこと。この部分からブレーキオイルを入れたりエア抜きを行う。マスターシリンダーの容量によってブレーキパフォーマンスに影響が出ることもある。特にキャリパーを大きくした場合、マスターシリンダーの容量もそれに見合ったものにしないと制動力向上は望めない。

マッサージオイル
別に、“30分9000円、指名料2000円、コスプレ等オプション多数、素人美人多し”で使うヤツではない。自転車のエンジンたる脚のコンディションを整えるために使う正々堂々?としたオイルだ。レース前に塗るスタートオイル、レース後に使うクーリングダウンオイル、寒い時に故障を防ぐために使うホットオイルなど種類は様々である。プロ選手を気取って香水がわりに使う一般サイクリストもいる。

マッドタイヤ
トレッド面のブロックが大きい泥濘路面用のタイヤ。

マリア・ローザ
ジロ・ディ・イタリアで総合成績トップの選手が着るジャージ。日本語でピンクのジャージという意味。マイヨ・ジョーヌと同様の理由で1931年に誕生した。色も同様の理由で、主催であるスポーツ新聞社のガゼッタ・デッロ・スポルト紙の紙面の色であるピンクになった。

ミニペロ
Mini(小型の)Velo(自転車)という意味のフランス語。この場合、“ミニ”という言葉は、車体ではなくホイールのことを指す。明確な規定はないが、おおむねタイヤ径24インチ以下の自転車をミニベロという傾向があるようだ。小径タイヤの自転車でも、折り畳みできるものはフォールディングバイクと区別して言うこともある。

メガチューブ
アルミなど弾性率の低い素材を使いながら高剛性を達成するために考案された、異形断面形状の大径チューブの総称。25.4oや28.6o径のコンベンショナルなフレーム材料と比較すると、まさにメガ(Mega:大きい、百万倍という意味の接頭語)と呼ぶにふさわしいボリュームを持ったチューブ。このチューブの登場により、ロードバイクの軽量化は一気に押し進められることになった。

メッセンジャー
日本人には英語だとなんとなく耳当たり良く聞こえるが、要は書類配達人のこと。このメッセンジャーをモチーフにした海外の映画などでは、クルマや歩行者の間を縫って過激に走ることがいかにもカッコよく描かれているが、実際は事故を起こしては信用問題に関わるので、速く安全に走ることが絶対条件になる。また届け先で明朗快活に挨拶できるかなど、むしろ社会的要素の方が大切なようだ。

もがく
スプリント状態に入っている選手を形容する言葉。必死の形相でペダルを漕ぐ様はまさにもがくと表現するにふさわしい。ちなみにゴールラインからもがいている最中の選手達の顔を見ていると、呼吸と苦しさのため大口を開けていることもあって、みんな笑いながら走っているように見えてけっこう面白い。

モノコック
通常自転車のフレームは、何本かのチューブ同士を溶接もしくは接着することで形になっていくものだが、モノコックとは飛行機や船に見られるように内部が空洞になっている単一構造で成形されるフレーム形式のことを指す。張り殻構造。応力外皮構造。ほとんどの場合カーボンを使って作られる。設計の自由度が高いので、今後フレーム形式の主流になっていくという人もいる。Monocoque。決してMonocockではない。

モノステー
最近主流になっているシートステーの形状。両リヤエンドから伸びてきたシートステーがブレーキ取り付け部付近で1本にまとまっているところからモノ(Mono:英語で単一のという接頭語)ステーと呼ばれる。いわゆるカーボンバックが流行し始めてから顕著になったスタイルで、エアロダイナミクスに優れ、剛性向上も期待できるという。最近はカーボン製のチェーンステーの根本(ボトムブラケットに接合される部分)もモノ化される傾向にある。

ヤグラ
シートピラー最上部にある、サドルのレールをくわえ込む部分。ボルト2本で固定する二本締めと、一本締めと呼ばれるボルトが1本のヤグラがある。軽量ということもあって最近は1本締めが主流だが、二本締めのヤグラの方が確実な固定と微調整が可能。サドルには大きな力がかかるため、ヤグラの固定力は案外大切な要素だ。

油圧式ディスク
ホイールに取り付けられた円盤をブレーキキャリパーではさみこむことで制動力を発揮させるのがディスクブレーキなわけだが、そのキャリパーを作動させるためにオイルを使うモノを油圧式ディスクと呼ぶ。ワイヤー式ディスクのようにワイヤーが伸びることもないので制動力が安定的で、Vブレーキのようにブレーキ台座がストッピングパワーに負けて開くこともないため、あらゆる場面に強いブレーキ。

UST
フランスのメーカーであるマビックのMTB用チューブレスタイヤの規格のこと。市場に出回っているほとんどのチューブレスタイヤはこの規格に準じている。某日本の大メーカーの完組みホイールも、宣伝などで声高にうたってはいないがこのUST規格になっている。

UCI
Union Cyclisme International (ユニオン・シクリスム・アンテルナシオナル)の略。日本語では国際自転車競技連合と呼ばれる。世界の自転車競技の運営管理を一手に引き受ける団体。自転車競技の公用語がフランス語であることからもわかるようにフランスロビー的傾向を持ち、また、理不尽とも思われる規則や規定を次々と世に送り出すことでも有名。

U23
Under23の略で、23歳以下の選手のみ参加資格がある種目を指す。

ユニット
本来は物体の意味だが、MTBではダンパーとスプリング(コイルまたはエア)のサスペンション部品を指す(リンク類は含まない)。「リアユニット」という言い方をすることが多く、フロントサスペンションフォークには普通使わない。同義語は「ショック」。かなりアメリカ英語そのまんまな感じ、かも。

ユニットストローク
リアサスペンションユニット自体の作動量のこと。XC用で1インチ、DH用の3インチまで各種ありFRバイクでは2〜2.3インチぐらいが一般的。MTBの場合、ユニットストロークの3倍くらいがサスペンションストロークとなる。正確なサスペンションストロークが分からなくても、ユニットストロークを目安にすればわかる。

ライザーバー
握り部分が持ち上がったタイプのハンドルバー。「アップバー」、「アップハンドル」(または略してアップハン)ともいうが、ライザーバーの方がより英語的表現。

ライズ
ライザーバー、アップバーの持ち上がっている高さのこと。ステムの中心からハンドル握り部分中心までの距離で慣例上インチ表記。一般的には1.5〜2インチが多いが、DH用にはライズの低いタイプが登場し始めている。

ラグ
フレームチューブ同士を結合するために使われる継ぎ手のこと。継ぎ手としての役割はもちろん、ラグはフレームの個性を出すためのアクセントにもなるもので、かつてはブランドごとにオリジナルデザインのラグを用意していたものだった。また、ラグのフィンの長さや厚さを微妙に変化させることで、チューブへの溶接時の熱の伝わり具合を均等化する効果もあった。アルミの溶接にはラグを使わないので今ではほとんど見られない。

ラグレス
フレームを作る際にラグを用いないで作ること。ラグを使ったフレームをラグドフレーム、使わないものをラグレスフレームと呼ぶ。ラグによって角度を強制されないのでより自由なフレーム製作が可能になる。また応力集中が少ないというビルダーもいる。ラグド、ラグレスとも長い歴史を持った製作方法なので、一概にどちらがいいとか劣っているとか判断することはできない。

ラジアル組み
新手の暴力団の名前ではない。スポークのレイアウトの一種で、スポーク同士が交差しているクロス組みに対して、ラジアル組みはハブ中心から放射状に一直線にスポークが伸びている。スポーク同士が交差していないため横剛性がいくらか低くなるという人もいるが、エアロスポークでホイールを作る場合はこのラジアル組みで行う。ちなみにRadialとは英語で放射状のという意味。

ラチェット
リアハブのフリーボディの内部に使われている部品のこと。日本語で爪車。爪と組み合わせることで正回転時には動力を伝達し、逆回転時には空転させる機能を発揮する。自転車で走っている時にクランクを止めると”シャー”っと音がするが、あれはラチェットが空転している音だ。

ラピッドライズ
通常リアディレイラーのスプリングは、トップ(小さい歯)側にいくほど張力が弱くなっていくように設計されているが、ラピッドライズタイプのリアディレイラーの場合、ロー(大きい歯)側の方にいくほど張力が弱まるように設計されている。その結果、より早く変速して欲しいシフトダウン時にディレイラー自身のスプリングの力も利用できるようになりレスポンスが高まった。ただしレバーの動きは通常と逆になるので慣れが必要。

ランドナー
フランス語のRandonneur(散歩する人)から取られた自転車の名称。特に日本では1950年〜60年代テイストあふれるクラシカルなツーリング車を指す。ランドナーはフランス車の独壇場で、今はもうなくなっている工房だが、ルネエルス、アレックスサンジェなどが有名。特にルネエルスはマニア垂涎の的で、程度のいいものは百万円単位で売買されることもあるという。

リアサス
自転車の後部(リア)についている衝撃緩衝装置(サスペンション)の略称。しかしフロントサスペンションのことはフロサスではなく”フロントサス”という。

リアサスペンションユニット
ショックアブソーバーやリンク、スプリングなど、リアサスペンションをサスペンションとして機能させる構造物、装置(Unit)のこと。MTB、特にクロスカントリーバイク用リアサスペンションは、ただショックを吸収すればいいのではなく、ペダリング効率を損なわないための工夫も要求されるので、オートバイなどのサスペンションよりも設計が難しい側面がある。

リアスイングアーム
サスペンションユニットによって作動する、リアホイールを支持する部品のこと。このサスペンションアームが上下することで路面からのショックは吸収される。

リアディレイラー
自転車後部についている変速機。最新型リアディレイラーは10〜11段変速になっている。

リーチ
広域では何かの長さを指すが、特にロードバイクのドロップバーのドロップ部の、前方への突き出し長さを言う。ちなみにステムの長さも日本語で突き出し量と言うが、カタカナではエクステンションと言う。あるいは麻雀でテンパイを宣言すること。あがれば、ウラドラがのることも。

リーマー
チーマーの親戚。またはシートピラー挿入部などの孔の直径を寸法正しくきれいにさらうための工具。シートチューブ内部は塗装のはみ出しなどで径が微妙に狂っていることがあり、ピラーとの密着度が低下し固定力が不十分になる場合があるので、組み付け前にはリーマーを通したい。

リジッドバイク
いわゆるリアサスペンションがないMTBのこと。ハードテイルバイクの別称。前後にサスペンションがあるMTBはフルサスバイクなどと言う。街乗りではリジッドバイクの方がレスポンスよく走れるだろう。ロードバイクはサスが(本来)ないが、リジッドバイクとはまず言わない。

リジッドフォーク
要するにサスペンション機能を持たないごく一般的なフロントフォークのこと。MTB用語にはどうもこの手の言い換えが多い。ロードバイクのフロントフォークを指しては当然使わない。

リップ
ジャンプの飛び出し面の先端、角のこと。ここがあまりにしゃくれて尖っていたり、逆に丸く角が落ち込んでいると飛びにくいばかりか非常にアブない。ちなみに飛び出し面を整えることは「面を出す」。なんかとても職人的用語。

リフレクター
反射板、反射装置の意。クルマのライトなどに反射する赤いアレのことだ。夜間走行時はこのリフレクターがないと恐くて走れないし、制服を着た人が寄ってきていろいろ聞かれることがある。

リム
ホイールのもっとも外側にあり、タイヤが乗っかっている円状の部品のこと。

リムセメント
チューブラータイヤをリムに装着する時に使用する接着剤の一種。永久結合力はないので、パンクした時にもはがすことができる。あまり長期間使い続けると接着力が落ちてくるので、定期的にタイヤをはがし、リムセメントを塗り直す必要がある。

リムテープ
最近はリムフラップと同義語で使う傾向があるが厳密には別のもの。リムテープとはチューブラータイヤを接着するための粘着テープのことをいう。不意のパンク時にもタイヤのリムへの接着力を確保できるとても便利な修理道具。

リムハイト
リムを横から見た時の高さのこと。ノーマルリムは高くても20mm以下のリム高に収まっている。この高さがホイール外周部のエアロダイナミクス向上のカギを握っているとされ、リム高30mm〜60mmあまりもあるディープリムが誕生した。

リムフラップ
クリンチャータイヤ用リムの内側に使う、主にプラスチックでできている帯のこと。このリムフラップでスポーク穴の上を覆っておかないと、タイヤ内にあるチューブがスポークで傷つけられてパンクしてしまうことがある。

リムブレーキ
制動時リムにブレーキシューを当てることでストッピングパワーを発揮させるコンベンショナルなブレーキのこと。

リンク
リアサスペンションユニットをスイングアームに媒介する金属製のアーム。このリンクの長さや角度によって、サスペンションのストロークや特性に任意のキャラクターを与えることができる。各メーカーのノウハウが反映されるところ。

輪行袋
自転車を分解して収納するための袋。日本では自転車をそのまま電車内に乗り入れることが禁じられていたため、輪行袋が発達した。”輪行”とは自転車を分解して運ぶ行為を示す言葉で、これもワープロで絶対一発変換できない自転車界独自の特殊な言い回し。競輪から来た可能性大。

ルーラー
平地で高速走行を長時間できる選手のタイプを指すフランス語。ちなみにスペルはRouleur。スプリンターやクライマーも人間ではないが、このルーラーも人間ばなれしており、一流のルーラーともなれば平均40km/h以上のスピードでそれこそ一日中でも走っていられるという。自転車に乗っている人ならばこの数字がとてつもないものだということがわかるだろう。まさしく、”人間オートバイ”だ。

ルック車
いわゆるMTB風街乗り自転車のこと。見た目(Look)MTBだからルック車というらしい。アメリカ大好き、英語大好きの日本人が考えそうな横文字センスにあふれた素晴らしい名称だ。外見はいかにもMTB然としているが、各部の作りはお粗末極まりなく、歩道と車道の段差を降りるだけでも大仕事になってしまうものが多い。量販店で売られている激安MTBの多くはこのルック車だといってもいい。この手のバイクには”この自転車は悪路走行用に作られておりません”とか書いてあるステッカーが貼ってある。

ルックペダル
タイム、SPD SL、プロフィットと並んで高いシェアを持つロード用ビンディングペダル。登場は1985年と最も古く、パイオニア的存在でもある。デビュー以来ほとんど変更がない基本設計の高さも人気の秘密か。

ルブリカント
Lubricant:潤滑剤。英語。グリス、オイルスプレーなどあらゆる潤滑剤の類の総称。とはいえそれぞれ用途別に性格づけされているので、使う時はその目的や用途をしっかり把握する必要がある。たとえば潤滑のためにチェーンにグリスを塗っては逆効果(雨天時は別だが)。チェーンには非固形の潤滑剤の使用がセオリーとされているのだ。使用前には説明書きをしっかり見ること。

レーサージャージ
ポロシャツの襟をなくしたような感じ(あくまで主観だが)の自転車用ウェアのこと。ちょっとしたものを入れられるように、背中側の腰部にポケットが3つついているのが特徴。プロチームレプリカのジャージを着る時は、レーサーパンツも同じチームのものにしないととてもカッコ悪いので注意。自転車、特にロードバイクに乗る時の正装(!?)とされる服装。

レーサーパンツ
自転車に乗らない人から見るとかなり異様に映るのがレーサーパンツだ。例の脚にぴったりしたハンパな長さ(昔はもっと短く、短パンみたいだったらしい)のタイツみたいなアレである。おまけに股間にはサルのお尻のように丸く縫い目(パッドが縫い込まれている)が見えるアレである。ノーパンではくものなのでオシッコすると表にじわっと染みてくる(失礼)アレである。でも一度はいて自転車に乗ったら二度と手放せないのがアレである。

レース
Raceとは英語で競争を意味する。もはや日本語となった感もある言葉だ。レースする人だからといって”I am Racist”といってはとんでもない意味になってしまうので、英語はしっかり勉強しておきたい。

レコード
カンパニョーロの最高級コンポーネントの名前。このネーミングが物語るように数々の勝利を記録してきた名品。つねに最高の性能を追求し続け、早くからアルミ、チタンなどの軽量素材を積極的に採用してきた。現行レコードにもその方法論は活かされ、リアディレイラーやブレーキレバーには他に先駆けてカーボンが使われている。

レバー
主にブレーキや変速器を操作する時に使う、ハンドルバーに装着されている棒状の操作杵のこと。

ローター
ディスクブレーキの構成パーツで、ホイールについている円盤状の制動装置を指す。このローターを、ブレーキキャリパーがブレーキパッドを介して挟み込むことで制動力が発生する。ブレーキシステムとは運動エネルギーを熱エネルギーへと交換する一種のコンバーターのような装置といえる。

ロード
“この本はロードの記事が少ない”とか”ロード選手は大食いが多い”などのように、ロードバイクに関連したことを短縮し総称する時に使う言葉。”ロードで行こうぜ”みたいにロードバイクに乗って走ることを指すこともある。別に何でもないようなことが幸せだったと思うことではないし、第18章まであるわけでもない。

ローノーマル
鬱気味の人の症状が悪化して暗ぁ〜くなっていても、それが普通の状態として周囲の人に認識されていることをロー(鬱で)ノーマル(普通)という。当然そんなわけではなくて、シマノで言うところのラピッドライズタイプのリアディレイラーのこと。このローノーマルタイプのリアディレイラーは、実は1950年代にはすでに登場している歴史あるシステムなのだ。

ロック
物理的効力を使ってパーツやボルトをしっかり固定すること。あるいは急なブレーキング操作で走行時にもかかわらずホイールの回転が止まってしまうことはホイールロックという。

ロックアウト
フロントサスペンションのストローク機能を任意に働かなくさせる機能の名称。サスペンション内のオイルの通路を遮断することでロックさせる。クロスカントリーバイク用フロントサスペンションには必須機能となりつつある。ちなみにロックアウトの本来の意味は、”労働争議における資本家側の対抗手段として、工場などを一時閉鎖し、労働者の就業を拒否すること”という、とってもキャピタリズムなお言葉。

ロックリング
意味的には何かをロックするための環状の部品ということだが、自転車用語としては特にリアスプロケットをフリーボディに固定するための環状パーツを指す。また最近では、ディスクブレーキのローターのように、ロックリングを使ってハブに固定する構造のものもある。

ロングストローク
サスペンションの作動量(ストローク)が長いこと。特にダウンヒルバイクにとってこのストローク量の多少は走行性能に大きく影響する。

ワールドカップ
クラッシックレースでの獲得ポイントで年間を通じて争われるチャンピォンシップ。総合ポイントトップの選手は縦に6色のストライプが入ったリーダージャージを着ることができる。

ワイヤー
ブレーキや変速器などをレバーにつなぐために使われる金属製のロープ。サビに強いステンレス製が多い。経年変化で伸びが出るため一定期間での調整や交換が必要になるが、構造がシンプルで確実な操作が可能なため、自転車誕生以来長い間使われている。

ワイヤー式ディスク
ワイヤーによってコントロールされる方式のディスクブレーキのこと。Vブレーキより泥づまりに強く、アッセンブルも簡単なうえ価格も油圧式より安いため、ミドルグレード以下の設定のMTBに多くみられる。

ワイヤリング
ボルトが緩むことを防ぐためにボルトの頭に穴を開け、そこにワイヤーを通してフレームなど他の構造物に結び付けてボルト自体を固定してしまうこと。レース用のオートバイやクルマでは一般的だが、自転車ではあまり見受けられない。ボルトの数が多くないので管理しきれることや、エンジンがないため振動などで緩むことが考えにくいためと思われる。そのため自転車用語としては、グリップの抜け防止にワイヤーを巻いて固定することを指す場合に使う言葉。

ワッシャー
ボルトをネジ穴やナットにねじ込む時に入れる輪っか。緩み防めやボルトの固着を防ぐ役割を担う。

ワッフル
「ワッフルソール」といえば米VANS社のスニーカーソールのこと。「ワッフルタイプ」といえばMTBのハンドルグリップのパターンのこと。前者は生ゴムの柔らかい靴底でピンやギザギザが程よく食いつき、フラットペダル、デカペダルには最高!とされている。後者はオーソドックスな格子模様のグリップで滑りにくく、BMXやD系MTBで人気。どちらも語源はそのものズバリ、ベルギーワッフルの格子模様から。型にどろどろの材料を流し込んだのち加熱して出来上がり、という製法自体まで似ているのは、偶然なのか何なのか。

ワンオフ
一点モノ、の意。どうしても市販パーツ、量産パーツにはないモノが必要な場合、1個(もしくは数個だけ)作ること。オレ様だけのための、思い通りのパーツ、という満足度やワガママ度はかなえられるが、イチから設計し、素材を用意し、それだけの製造のために機械と職人さんを動かすので、すべてのコストが上乗せされ非常に高価になる。「ワンオフで作ったんだぁ」と自慢すると「おおっ!」と羨望のまなざしを受けられる。が、特殊な規格のため、切った貼ったしなければパーツを付けるに付けられなかっただけ、という意地悪な解釈もできなくはない。

ワンデーレース
ステージレースが2日以上にわたって行われるのに対して、1日で決着がつくレースをワンデーレースと呼ぶ。

ワンポイントファイブ
ステアリングコラム径が1.5インチ(約3.81cm)の新規格。シングルクラウンフォークで6インチ以上のロングストロークを実現するためにアンサー社(マニトウフォーク)やケーンクリーク(ヘッドセット)などが中心となって提唱した。本来ノースショアに代表されるフリーライドの潮流に合わせて、小回り性とストロークを確保するためだが、ヘッドセットを変えて通常の1+1/8インチ径コラムを取り付けるようにしたDHバイク(ヘッド周りの剛性が高いため)など新たな使い方も。今後の普及に注目が集まっている。ちなみにヘッドチューブはコーヒー缶より太く、ヘッドセット外径はコーラ缶並みというビックリサイズである。

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